請託(読み)セイタク

デジタル大辞泉 「請託」の意味・読み・例文・類語

せい‐たく【請託/請×托】

[名](スル)内々で特別の計らいを頼むこと。特に、公務員一定職務行為を行うように依頼すること。「―を受ける」
[類語]頼む請う求める願う仰ぐ依頼要請懇請懇望する懇願要求要望請求注文迫る所望ちょうする催告せがむせびるねだる強要強請ゆすり請い求めリクエストアンコール

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精選版 日本国語大辞典 「請託」の意味・読み・例文・類語

せい‐たく【請託・請托】

  1. 〘 名詞 〙 内々のたのみ。権力などのある人に、私事を願いたよること。情実上の依頼。
    1. [初出の実例]「容縦子弟請託公行」(出典類聚三代格‐七・養老三年(719)七月一九日)
    2. 「若(なんぢ)、向(さ)きに言ふ、某に貨(まひな)ひして請託すと」(出典:江戸繁昌記(1832‐36)四)
    3. [その他の文献]〔漢書‐何武伝〕

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普及版 字通 「請託」の読み・字形・画数・意味

【請託】せいたく

権力者に私事をたのみこむ。〔後漢書、明帝紀〕今、擧實ならず、佞未だ去らず。門に託し、殘放手(縦(ほしいまま)に)し、百姓愁怨す。

字通「請」の項目を見る

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「請託」の意味・わかりやすい解説

請託
せいたく

一定の職務行為をすることの依頼を受けこれを承諾して賄賂を受取ること。公務員が職務に関連して賄賂を受取ればそれだけで収賄罪となるが,請託は受託収賄罪として刑が加重される (刑法 197条1項) 。請託がある場合には,職務行為と賄賂との対価関係が明白であり公務が左右される危険がより高く,また社会の信頼をそこなう程度が大きいといえるからである。もっとも,請託は不正な行為を内容とする場合ばかりでなく,正当な職務行為を依頼する場合をも含むとされる。事前収賄罪 (197条2項) ,第三者供賄罪 (197条ノ2) ,事後収賄罪 (197条ノ3第3項) ,斡旋収賄罪 (197条ノ4) においては請託があることが犯罪成立の要件となっている。請託は普通密室で証拠を残さないように行われるため,立証には困難な問題がある。

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