論う(読み)アゲツラウ

デジタル大辞泉 「論う」の意味・読み・例文・類語

あげ‐つら・う〔‐つらふ〕【論う】

[動ワ五(ハ四)]物事理非可否を論じ立てる。また、ささいな非などを取り立てて大げさに言う。「人の欠点をいちいち―・う」
[可能]あげつらえる
[類語]論ずる論議議論言論公論論弁論判談義批判論難弁難批難批正酷評否定駁論ばくろん反論反対(―する)難ずるばくする非を打つ

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精選版 日本国語大辞典 「論う」の意味・読み・例文・類語

あげ‐つら・う‥つらふ【論】

  1. 〘 他動詞 ワ行五(ハ四) 〙 物事の善悪、理非などを議論する。物事の是非をただす。また、ささいな非などをことさらにとりたてて言う。
    1. [初出の実例]「論(アケツラフ)に諧(かな)ふときは、則ち事理(こと)自らに通(かよ)ふ」(出典日本書紀(720)推古一二年四月(岩崎本訓))
    2. 「昼夜をわかたぬ種々の、見せもの茶見せ諸商人、あげつらふにいとまはあらねど」(出典:滑稽本・八笑人(1820‐49)三)

論うの語誌

「あげ」は「挙げ」、「つらふ」は「言いずらう」「引こずらう」などの「つらふ」で動作や状態が強く長くつづくことを表わし、本来はマイナスのイメージはない。古く、書紀古訓の外には、古辞書や訓点資料に見られるだけであるが、漢文訓読によって後世に伝わった。

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