論無し(読み)ロンナシ

デジタル大辞泉 「論無し」の意味・読み・例文・類語

ろん‐な・し【論無し】

[形ク]言うまでもない。論じるまでもない。多く、「ろんなく」「ろんなう」の形で、連用修飾に用いる。
「―・うさやうにぞあらむと」〈かげろふ・上〉
[類語]無論勿論もちろん当然当たり前もっとも自然至当元よりご無理ごもっと自明歴然歴歴一目瞭然瞭然灼然しゃくぜん明らか明白明明白白定か明快はっきり明瞭画然顕然まさしくまさに必至疑いなく然るべきすべからく言うまでもない言うに及ばず言えば更なり言わずもがな言うもおろか言をたない論をたない推して知るべし隠れもない紛れもない無理もない無理からぬもありなん理の当然必然妥当自明の理それもそのはずもっともっとも至極もっとも千万うべなるかなむべなるかな合点唯唯諾諾首肯うべなう賛成賛同果たして果たせるかな更にも言わず至極のみならず言わずと知れた違いないくっきり諸手もろてを挙げる

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精選版 日本国語大辞典 「論無し」の意味・読み・例文・類語

ろ‐な・し【論無】

  1. 〘 形容詞ク活用 〙 ( 「ろんなし」の撥音「ん」の無表記 ) =ろんなし(論無)〔形ク〕
    1. [初出の実例]「文給へ。見給へん。ろなうわたしごとはべりけんかし」(出典:宇津保物語(970‐999頃)蔵開上)

ろん‐な・し【論無】

  1. 〘 形容詞ク活用 〙 論ずるまでもない。言うまでもない。勿論である。問題ない。多く「ろんなく」「ろんなう」の形で、連用修飾に用いる。ろなし。
    1. [初出の実例]「ろんなう、さやうにぞあらんと、おしはからるれど」(出典:蜻蛉日記(974頃)上)

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