西日本の地質構造を二分する中央構造線に沿って、吉野川(県内河川延長一〇八・一〇九キロ)とその支流である
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四国地方北東部の香川県と徳島県の境界を東西に連なる山脈。阿讃山地(あさんさんち)ともよばれる。山脈の最高峰は中央部にある竜王山(1060メートル)で、ここから東・西に向かってしだいに高度を減じている。おもな山に大川山(だいせんざん)(1043メートル)、大滝山(946メートル)、雲辺寺(うんぺんじ)山(927メートル)がある。この地域には中生代白亜紀の砂岩と頁岩(けつがん)の互層からなる和泉層群(いずみそうぐん)が広く分布し、南麓(なんろく)には中央構造線が、北麓にはいくつかの衝上(しょうじょう)断層がみられる。山脈は早壮年期の地形を示し、山頂の一部には平坦(へいたん)面を残し、V字谷が発達する。山脈の北側斜面に比べて急傾斜をなしている南側斜面では、吉野川の支流である曽江谷(そえだに)川、日開谷(ひがいだに)川などの急流河川が流下し、開析の進んだ隆起扇状地が発達する。一方、山脈の北側斜面では、財田(さいた)川、土器(どき)川、香東(こうとう)川などがその源を発し、放射状をなして讃岐平野を流下する。ここでは細長い谷が山稜(さんりょう)と同じ方向に発達するが、これはもろい頁岩や泥岩の地層が侵食を受け、比較的固い砂岩の地層が残されてできた差別侵食による地形と考えられている。曼陀(まんだ)峠、猪鼻(いのはな)峠、真鈴(ますず)峠、三頭越(さんとうごえ)、相栗(あいぐり)峠、大坂峠などは讃岐山脈を南北に結ぶ古くからの重要な峠で、現在もJR土讃線、高徳線、国道11号、32号、193号などの主要交通路が香川県と徳島県を結んでいる。北側斜面には内場(ないば)池をはじめ多くの貯水池が築かれ、塩江(しおのえ)・美霞洞(みかど)温泉などがある。
[新見 治]
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香川県の南部を占め,徳島との県境に沿ってほぼ東西に走る山脈。その主分水嶺は阿波と讃岐の境界をなすので,阿讃(あさん)山地とも呼ばれる。南縁は中央構造線の断層,北縁も数条の断層によって画され,不完全地塁山地をなす。西日本内帯に属するが,山脈の北側の丘陵が,中国山地と同様,花コウ岩からなるのに対し,讃岐山脈の山体は,水成岩の上部白亜系の和泉層群からなり,レキ岩,砂岩,ケツ岩の互層をなしている。また地形的には,山頂部に平たん面を残す早壮年期の山容を呈すなど,外帯の性格を帯びている。山脈の中央部には,最高峰の竜王山(1060m)をはじめ大川山,大滝山など標高900m以上の山が連なり,東西に向かって低下する。山脈の北側の丘陵は山麓階状をなし,浸食谷にはダムや溜池も多く,讃岐平野の水源地となっている。南側には高位平たん面が多く,日当りもよいので山頂近くまで集落の発達がみられ,山麓には中央構造線の断層に伴う破砕帯が現れている。
執筆者:相馬 正胤
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…讃岐国
[おだやかな自然風土]
香川県の地形は南から北へ,山地部,平野部,島嶼部の三つに大きく分けられる。南部の山地は阿波と讃岐の境をなす讃岐山脈で,早壮年期のおだやかな山容を示し,最高峰の竜王山(1060m)を中心に大滝山,雲辺寺山などの高峰が東西に並ぶ。この山脈は和泉層群という水成岩からなる地塁で,徳島県側の南麓には中央構造線の大断層が横切っている。…
※「讃岐山脈」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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