普及版 字通 「谷(漢字)」の読み・字形・画数・意味
谷
常用漢字 7画
[字訓] たに・きわまる
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 象形
谷の入口の形。〔説文〕十一下に「泉出でて川にずるを谷と爲す。水ば見えて口より出づるに從ふ」とするが、金文の字形は、左右から山がせまり、谷口が低く狭まった形で∨形をなすことを示す。口の部分は、字の初文では∨形に作る。卜文には(さい)形に作り、谷口を聖所として祀る意である。
[訓義]
1. たに、山峡のくぼみ。
2. みぞ、みち、細いみち。
3. 極と通じ、きわまる。
4. 穀と通じ、よい、やしなう、そだてる。
5. 卻と通じ、しりぞく、さる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕谷 タニ・フカシ・キハム・ヤシナフ・ココ
[部首]
〔説文〕に谿・(しゆん)など七字、〔玉〕に・などを加えて、二十八字を属する。
[声系]
〔説文〕に俗・裕・欲・浴など七字を谷声として収めるが、これらはみな谿谷の谷と声義ともに異なる。容は神に祈って、彷彿としてその容のあらわれる意。裕・欲・浴はみなその祭儀にかかわる字で、口は祝告、その上は彷彿の気を示す字であり、声系もまた壑谷の谷と異なる。
[語系]
谷kokは壑xakと声義近く、また、坑kheang、坎kham、陷(陥)heamも同系の語で、みな地の坎陥(かんかん)するところをいう。極gikと声近く「きわまる」と訓し、(穀)kokと同声にして「やしなう」と訓する。
[熟語]
谷飲▶・谷雨▶・谷雲▶・谷王▶・谷閣▶・谷間▶・谷気▶・谷▶・谷響▶・谷口▶・谷谷▶・谷処▶・谷神▶・谷水▶・谷泉▶・谷底▶・谷道▶・谷畔▶・谷風▶・谷辺▶・谷量▶
[下接語]
飲谷・雲谷・淵谷・回谷・開谷・崖谷・壑谷・寒谷・谷・岸谷・巌谷・帰谷・穹谷・窮谷・虚谷・峡谷・空谷・渓谷・谿谷・谷・荒谷・高谷・山谷・出谷・峻谷・浚谷・深谷・谷・泉谷・遷谷・大谷・中谷・通谷・洞谷・万谷・盤谷・幽谷
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報