谷の中を流下する氷河。谷の源流部にあるカール(圏谷)を埋めたカール氷河が、さらに発達してできることが多い。谷氷河の末端部は舌状に伸びるので氷舌(ひょうぜつ)とよばれる。氷舌の縁(氷舌端)には、氷河が上流から運んできた岩屑(がんせつ)が積み上げられて、エンド・モレーンend moraineやラテラル・モレーンlateral moraineとよばれる堆石(たいせき)をつくる。いくつかのカールから流下した氷河が、下流で合流してできた谷氷河はアルプス型氷河とよばれるが、アルプスの谷氷河は、最大のアレッチ氷河でも長さ25キロメートル以下である。これに対して、カラコルムやパミール高原には長大な谷氷河が多く、世界最大のフェドチェンコ氷河は長さ77キロメートルにも達する。氷期にはさらに長大な谷氷河が発達していたことが、谷氷河のつくったU字谷や堆石の地形から知られている。大陸氷河や、緩やかな山地をすっぽりと覆った氷帽氷河などの一部が、周囲の谷に流れ込んでできた谷氷河は溢流氷河(いつりゅうひょうが)とよばれる。
[小野有五]
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…一つは平坦で広大な大陸に形成されているもので大陸氷河continental glacierあるいは氷床ice sheetと呼ばれる。もう一つは起伏の大きい高山地帯に形成されているもので山岳氷河mountain glacierあるいは谷氷河valley glacierと呼ばれる。氷床は平坦であるために流動は活発でないが,2000~3000mもの厚さをもつことによって初めて傾斜を生じ,ゆるやかな流動が起こる。…
※「谷氷河」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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