出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
香川県北部、小豆(しょうど)島と直(なお)島間にある島。小豆(しょうず)郡土庄(とのしょう)町に属す。面積14.50平方キロメートル。典型的なメサ型溶岩台地で、最高点の檀山(だんやま)(340メートル)を中心とした台地面はよく耕されている。とくに唐櫃岡(からとおか)集落は、安山岩の下の凝灰角礫(かくれき)岩層からの湧水(ゆうすい)で低地海岸部よりも水田耕作が発達している。この凝灰角礫岩は豊島石とよばれ、加工しやすくコケもつきやすいので、香川県では灯籠(とうろう)など石細工物に利用している。島の北部に突出する虻崎(あぶざき)は第三紀の化石の宝庫で、とくに貝の化石が多い。北西岸の家浦(いえうら)が中心集落で砂浜海岸もあり、海水浴用の民宿も発達している。島の東半部は属島小豊(おて)島とともに瀬戸内海国立公園の一部。家浦港と唐櫃港から、土庄港、宇野港、高松港への定期船便がある。1978年(昭和53)から産業廃棄物の不法な投棄が行われ、住民の抗議運動が続いていたが、1990年(平成2)に兵庫県警が業者を摘発、以後、全国的な注目を集めた。1993年、豊島住民は国の公害調停を申請、それ以降調停作業が続いていたが、2000年、香川県が産業廃棄物の撤去を行うことと、知事が住民に対し謝罪したことでいちおうの決着をみた。人口1066(2009)。
[坂口良昭]
香川県小豆(しようど)島の西にある島。小豆(しようず)郡土庄(とのしよう)町に属する。面積14.61km2,人口1042(2008)。開析溶岩台地が島の大部分を占め,最高点の檀山は標高340mで,基盤の花コウ岩の上に凝灰角レキ岩や讃岐岩質安山岩の層がのっている。凝灰角レキ岩は通称豊島石と呼ばれ,加工しやすくコケがつきやすいので石灯籠や庭石に珍重され,石材業が島の重要産業となっている。この凝灰岩層に湧水帯があり,水田が高所まで発達している。漁業や酪農業も盛んである。
執筆者:坂口 良昭
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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