豊旗雲(読み)トヨハタグモ

デジタル大辞泉 「豊旗雲」の意味・読み・例文・類語

とよ‐はたぐも【豊旗雲】

旗がなびいているように空にかかる美しい雲。
「わたつみの―に入り日さし今夜の月夜さやけかりこそ」〈・一五〉
[類語]白雲はくうん白雲しらくも青雲紫雲茜雲黒雲暗雲彩雲浮き雲千切れ雲片雲横雲棚雲笠雲飛行機雲筋雲鰯雲鯖雲鱗雲薄雲羊雲群雲朧雲乱雲雨雲雪雲曇り雲霧雲積み雲綿雲入道雲雲の峰かなとこ雲雷雲夕立雲夏雲

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精選版 日本国語大辞典 「豊旗雲」の意味・読み・例文・類語

とよ‐はたぐも【豊旗雲】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「とよ」は美称 ) 美しく大きく旗がひるがえるようにたなびいている雲。
    1. [初出の実例]「わたつみの豊旗雲(とよはたくも)に入日さし今夜の月夜さやけかりこそ」(出典万葉集(8C後)一・一五)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「豊旗雲」の意味・わかりやすい解説

豊旗雲
とよはたぐも

『万葉集』にある短歌「わだつみの豊旗雲に入日さし今宵(こよい)の月夜あきらけくこそ」に出てくる雲。旗雲の用例ほかにもあり、白い長い雲をさしたようである。豊は分量が多いことを表す形容詞で、豊旗雲は長い帯状の巻雲(けんうん)または巻層雲をさしたものと思われる。

[木村龍治]

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