豊饒(読み)ホウジョウ

デジタル大辞泉 「豊饒」の意味・読み・例文・類語

ほう‐じょう〔‐ゼウ〕【豊×饒】

[名・形動]土地肥沃ひよく作物がよく実ること。また、そのさま。ほうにょう。「豊饒な(の)大地
[派生]ほうじょうさ[名]
[類語]肥沃豊沃

ほう‐にょう〔‐ネウ〕【豊×饒】

[名・形動]ほうじょう(豊饒)

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「豊饒」の意味・読み・例文・類語

ほう‐じょう‥ゼウ【豊饒】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) 作物が豊かにみのること。土地が肥沃で、作物のみのりがよいこと。また、そのさま。ほうにょう。ぶにょう。
    1. [初出の実例]「行道之砌、共祈貴境之豊饒」(出典朝野群載‐一七・天暦四年(950)四月一一日)
    2. 「住僧も安堵し寺領も豊饒なり」(出典:古今著聞集(1254)七)
    3. [その他の文献]〔蔡邕‐黄鉞銘序〕

ほう‐にょう‥ネウ【豊饒】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) ( 「にょう」は「饒」の呉音 ) =ほうじょう(豊饒)
    1. [初出の実例]「シチリアの自然、その豊饒(ホウネウ)一面荒蕪の一面とは」(出典:即興詩人(1901)〈森鴎外訳〉古祠瞽女)

ぶ‐にょう‥ネウ【豊饒】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) ゆたかなこと。たくさんあること。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「然れば其の樹伐り倒して後、百姓田畠を作るに、豊饒なる事を得たりけり」(出典:今昔物語集(1120頃か)三一)

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