貸付金(読み)かしつけきん

精選版 日本国語大辞典 「貸付金」の意味・読み・例文・類語

かしつけ‐きん【貸付金】

〘名〙 個人または団体などに借用証書と引替えに貸し付けた金銭貸金。貸し。
※地方大意‐享保九年(1724)八月古事類苑・政治八六)「駿州貸附金之儀に付、駿府町奉行え渡候御書付」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「貸付金」の意味・読み・例文・類語

かしつけ‐きん【貸付金】

貸し付けた金銭。貸し金。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典 第2版 「貸付金」の意味・わかりやすい解説

かしつけきん【貸付金】

江戸幕府大名旗本町人農民などに利子をとって貸し出した公金のこと。貸付銀ともいい,正しくは御貸付金という。〈貸付金〉は利殖を目的としているが,幕府貸出金のうちには,このほか幕府が純粋に救済を目的として恩貸した〈拝借金〉と,不時の立替えを幕府が行う〈立替金〉とがあった。これら3種の貸出金はその目的からいって,貸付金は利付貸し,拝借金と立替金とは無利息貸しを原則とした。いずれも江戸時代前期からみられるが,幕府公金の貸出高が飛躍的に増大するのは,領主財政の窮乏農村荒廃が深刻化した宝暦~天明期(18世紀後半)以降であり,1800年(寛政12)現在の貸出高は約150万両,17年(文化14)には約300万両,42年(天保13)には約370万両に達した。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

世界大百科事典内の貸付金の言及

【寛政改革】より

…また飢饉対策として備荒貯穀を奨励し,村々に籾蔵を設置した。さらに〈荒地起返幷小児養育御手当御貸付金〉という名目の公金貸付けを実施している。これは諸国代官を通じて豪農層に利子1割前後で貸し付けられ,その年々の利金が耕地の復旧(荒地起返)や,農業人口の増加(小児養育)のための資金に活用された。…

※「貸付金」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

激甚災害

地震や風雨などによる著しい災害のうち、被災地域や被災者に助成や財政援助を特に必要とするもの。激甚災害法(1962年成立)に基づいて政令で指定される。全国規模で災害そのものを指定する「激甚災害指定基準に...

激甚災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android