賢者(読み)ケンジャ

デジタル大辞泉 「賢者」の意味・読み・例文・類語

けん‐じゃ【賢者】

《「けんしゃ」とも》
道理に通じたかしこい人。賢人。⇔愚者
仏語。善を行い悪を離れてはいるが、まだ真理を悟るにいたらず、凡夫段階にとどまっている者。聖者しょうじゃの下の段階。
[類語]賢人識者大賢賢哲哲人先哲前哲先賢前賢思想家

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精選版 日本国語大辞典 「賢者」の意味・読み・例文・類語

けん‐じゃ【賢者】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「けんしゃ」とも ) 賢い人。聖人に次ぐすぐれた人。賢明で堅実な人。賢人。⇔愚者
    1. [初出の実例]「賢者悽年暮、明君冀日新」(出典懐風藻(751)悲不遇〈藤原宇合〉)
    2. 「哭き悲て、忽に其の所に十柱の賢者を請じて、一日に廾巻の毗盧遮那経を書写・供養し奉れり」(出典:今昔物語集(1120頃か)五)
    3. [その他の文献]〔論語‐子張〕

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普及版 字通 「賢者」の読み・字形・画数・意味

【賢者】けんじや

賢人。〔論語、子張〕子貢曰く、武の、未だ地に(お)ちず、人に在り。賢は其の大なるり、不賢は其の小なるる。

字通「賢」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の賢者の言及

【個人主義】より

…要するに,理性と個性はともに特殊的な集団の要請を拒否しうる個人主義の二つの立場なのである。 思想史をさかのぼると,個人主義思想の先駆けはストア派,エピクロス派,それに懐疑論者たちの賢者(哲人)の概念のうちに見いだされる。彼らはいずれも,この世の成りゆきにとらわれないことが,賢者の特権であるとみなした。…

※「賢者」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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