精選版 日本国語大辞典 「赤外線写真」の意味・読み・例文・類語
せきがいせん‐しゃしん セキグヮイセン‥【赤外線写真】
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可視光より長い700ナノメートル以上の赤外線により撮影する写真で、赤外フィルムに赤外撮影用フィルターを併用する方法が一般的である。750ナノメートルと850ナノメートル前後に最大感度を有する2種のモノクロフィルムと、赤外カラーフィルムが製造されている。そのおもな用途は赤外スペクトルの研究をはじめ、赤外線の透過効果を利用した遠景の明確な撮影、生物組織体の透過撮影、植物の葉の種類や老若による赤外線の反射率の相違を利用した森林調査、海洋汚染調査、司法鑑定、測温など多方面にわたっている。(1)赤外線撮影用フィルター 赤外線フィルムは、赤外線に対する感光性以外にハロゲン化銀固有の感光性ももっているから、この波長の光をカットするフィルター(黄色~赤色)や、可視光をカットし赤外線のみを透過する赤外用黒色フィルターを使用して撮影する。(2)ピント位置の補正 一般レンズは、赤外線に対する色収差が補正されていないから、可視光によるピント調節は赤外線の結像位置と異なる。赤外線に対しては焦点がすこし後方へ移動するので、その分だけレンズを繰り出す必要があり、レンズの距離合せ指標には赤外マークが記されている。しかし、その補正量は感材の最大感度波長によって異なるため、赤外マークはその目安にすぎない。(3)赤外フラッシュ撮影 赤外線を放射するストロボやフラッシュランプを光源として夜間撮影すると、赤外線が肉眼に感じないため、被写体の人物などに気づかれずに撮影できる。(4)赤外線カラーフィルム リバーサルカラーフィルムの乳剤層のうち、一層を赤外線に感じるものとしたフィルム。赤外感光層をシアン、緑感光層をイエロー、赤感光層をマゼンタに発色させ、一般撮影のほか植物分布の遠隔探知用航空写真などに使用されている。また露光に関しては、赤外線用の電気露光計は市販されていないので、簡単に露光量を決定することはできない。したがって経験をもとに露光を変えて何枚か撮影するのが最良の方法である。
[伊藤詩唱]
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…(5)は可視光線以外の電磁波を利用する撮影法。赤外線(赤外線写真),紫外線(紫外線写真),X線(X線写真),γ線,β線の利用がおもなもの。可視光線ではあるが,シュリーレン写真や偏光写真も,電磁波の特徴を巧みに利用した観察方法となっている。…
※「赤外線写真」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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