精選版 日本国語大辞典 「赤外線」の意味・読み・例文・類語
せきがい‐せん セキグヮイ‥【赤外線】
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目に見える光の波長領域に続き、長波長側にある電磁波。1800年、イギリスの天文学者F・W・ハーシェルが寒暖計を用いて太陽光スペクトルの分布を調べたところ、最高の温度を示す場所は赤色部の外側であったので、この部分に目に見えない光がきていることを確認し、赤外線を発見した。普通、0.7~1000マイクロメートル(1マイクロメートルは100万分の1メートル)の波長範囲の光をいう。
これをさらに分けて、0.7~20マイクロメートルを近赤外線、20~1000マイクロメートルを遠赤外線という場合もある。近赤外線は、物質中の原子やイオンの振動と、遠赤外線は原子団の回転と深い関係をもっている。近赤外線は、その振動数が分子振動の振動数と同程度であるので、吸収されると、直接物質中の原子やイオンの振動を励起し、物質の温度を高める。しかし、赤外線は量子としてのエネルギーが小さいので、光電子放出をおこしにくく、その検出には温度上昇効果または光電気効果(半導体などに光が当たった場合に電気抵抗が小さくなる現象)を用いている。赤外線は目に見えないので、一般にあまり気づかれないが、われわれの生活している空間は、真っ暗な場所でも、赤外線で満ちている。室温の物体からは10マイクロメートル前後の赤外線が盛んに放射されている。よく晴れた夜に地表の温度が異常に下がるのは、上空へ向かって放射された赤外線が脱出してしまうためで、放射冷却とよばれている。温室やビニルハウスはこれを防止する効果をもっている。
近年、航空機の排気熱を感知して追尾する対空ミサイルや、暗闇(くらやみ)でも相手を見ることができる赤外線暗視装置などのセキュリティ・システムに用いられている。赤外線感知器の性能が向上したので、身近なところでは、近赤外線を利用した家電機器のリモコンや耳の穴に当てるだけで体温が計れる耳式体温計、気象衛星に搭載されて昼夜を問わず雲を観察できる赤外放射計などにも応用範囲が広がっている。
[尾中龍猛・伊藤雅英]
『『ニュートンムック 光とは何か?』(2010・ニュートンプレス)』
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可視光線よりも波長が長く,1 mm くらいまでの電磁波.比較的可視光に近い波長のものを近赤外,遠いものを遠赤外というが,学問分野によって使い方が異なり明確な区分があるわけではない.[別用語参照]熱線
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…これを電磁波という。電磁波はその波長によって,一般に波長がmm程度以上のものを電波,それより短く1μm程度までを赤外線,0.7μmから0.3μm程度までを可視光,さらに短く数nmまでを紫外線,若干重複して10nmから1pmの範囲をX線,10pmより波長の短い電磁波をγ線と呼んでいる。重複している部分は,電磁波を発生するメカニズムに応じて呼称を変えているのがふつうで,また電波を電磁波と同義に用いることも多い。…
※「赤外線」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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