赤玉(読み)アカダマ

デジタル大辞泉 「赤玉」の意味・読み・例文・類語

あか‐だま【赤玉/赤珠】

赤色の玉。また、明るく輝く玉。
琥珀こはく
赤褐色をした碧玉へきぎょく。水にぬれると赤みを増すので、庭石水石すいせきなどとして珍重される。佐渡などに産する。赤石赤玉石
江戸時代売薬の名。赤色の丸薬で、しゃく二日酔いに使われた。神教丸。

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精選版 日本国語大辞典 「赤玉」の意味・読み・例文・類語

あか‐だま【赤玉・赤珠・明珠】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 赤い色の玉。また、明るく輝く玉。
    1. [初出の実例]「阿加陀麻(アカダマ)は 緒(を)さへ光れど 白玉の 君が装(よそひ)し 貴くありけり」(出典:古事記(712)上・歌謡)
    2. 「赤珠とひかり匂へる瑞花のはちすの花は見れどあかぬかも」(出典:左千夫歌集(1920)〈伊藤左千夫〉明治三四年)
  3. 琥珀(こはく)。〔本草和名(918頃)〕
  4. 佐渡から産する、碧玉(へきぎょく)の赤いもの。水にぬれるといっそう赤く美しくなるので、庭石、水石(すいせき)飾り石として珍重される。
  5. 真珠。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕
  6. 売薬の名。赤い色の丸薬で、癪(しゃく)、胃けいれんなどに効きめがあるという。
    1. [初出の実例]「引けや跛足の赤玉薬」(出典:歌謡・ゑびや節(1688‐1736頃)浪花名物揃へ)
  7. 月経。また、芸者娼婦の生理休業をいう、花柳界てきや仲間の隠語。〔特殊語百科辞典(1931)〕
  8. 遊技用の赤い球。玉突きに用いる象牙(ぞうげ)製の赤いたま。また、玉入れの競技に用いる布製の赤いたま。
  9. ( 「あかだまのき」の略 ) 植物やぶこうじ(藪柑子)」の俗称。〔語彙(1871‐84)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「赤玉」の意味・わかりやすい解説

赤玉
あかだま

赤褐色をした碧玉(へきぎょく)で、庭石、水石、飾り石などに使われるものをいう。赤鉄鉱を含んでいるため赤褐色にみえる。ほとんど不透明。硬度石英にほぼ等しく、研磨すると美しい光沢が生ずる。ケイ酸分に富む岩石を母岩とする鉄鉱床、あるいは鉄を含む鉱床の珪化(けいか)帯に産する。また酸性火山岩中の脈としてもよくみられる。新潟県佐渡(さど)市赤玉およびその付近から産するものが有名。

[松原 聰]

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デジタル大辞泉プラス 「赤玉」の解説

赤玉

オランダの代表的チーズ「エダムチーズ」の日本での愛称。表面を赤いワックスでコーティングしてあることから。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「赤玉」の解説

赤玉 (アカダマ)

植物。ヤブコウジ科の常緑小低木,園芸植物,薬用植物。ヤブコウジの別称

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「赤玉」の意味・わかりやすい解説

赤玉
あかだま

碧玉」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の赤玉の言及

【生理用品】より

…江戸時代に紙が実用化すると,布や粗悪な紙が丁字帯(細長い布の一端にひもをつけ,前で結んでもう一方の端をはさんで用いる)とともに使われた。遊廓では紙に赤い絹を巻いたタンポンを用い,それらは赤団子,赤玉などと呼ばれていた。明治の中ごろには脱脂綿が普及し,日清戦争のときには従軍看護婦を中心として使われるようになった。…

※「赤玉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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