(読み)オモムキ

デジタル大辞泉 「趣」の意味・読み・例文・類語

おも‐むき【趣】

そのものが感じさせる風情。しみじみとした味わい。「冬枯れの景色もがある」
全体から感じられるようす・ありさま。「異国的なのある街」「大陸とはを異にした文化」
言おうとしていること。趣旨。「お話のは承知しました」
聞き及んだ事情。ようす。「承りますればご病気の、お案じ申しております」
やり方。方法。
合戦の―はからひ申せ」〈保元・上〉
[類語]風情気韻風韻幽玄気分興味内容興趣情趣情調情緒風趣風格余情余韻詩情詩的味わい滋味醍醐味だいごみ妙味雅味物の哀れポエジーポエティックポエジーポエトリーロマンチックメルヘンチックリリカルセンチメンタルファンタジックファンタスティック幻想的夢幻的神秘的ドリーミー

しゅ【趣】[漢字項目]

常用漢字] [音]シュ(漢) [訓]おもむき おもむく
心の向かうところ。めざすところ。考え。「趣意趣向趣旨意趣
おもむき。あじわい。「趣味雅趣興趣詩趣情趣風趣妙趣野趣
仏教で、衆生輪廻りんねの間に行って住む世界。「三悪趣
[名のり]とし

しゅ【趣】

仏語衆生しゅじょう自己のつくったごうによっておもむく世界。六趣。

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精選版 日本国語大辞典 「趣」の意味・読み・例文・類語

おも‐ぶけ【趣】

  1. 〘 名詞 〙おもむけ(趣)
    1. [初出の実例]「聖の化(オモフケ)に憑(よ)りて、遠く扇え」(出典日本書紀(720)継体七年一二月(前田本訓))

しゅ【趣】

  1. 〘 名詞 〙 ( [梵語] gati の訳語。道とも ) 仏語。衆生が自己の業(ごう)によって得る生存状態、また世界。地獄・餓鬼等の悪趣人間天上等の善趣などがある。六趣。
    1. [初出の実例]「我若生地獄、餓鬼、畜生修羅等之趣」(出典:永平道元禅師清規(13C中)典座教訓)

おも‐ぶき【趣】

  1. 〘 名詞 〙おもむき(趣)
    1. [初出の実例]「おほやけざまにて、さる所のことをつかさどり、まつりごとのおもぶきをしたため知らむことは」(出典:源氏物語(1001‐14頃)行幸)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「趣」の意味・わかりやすい解説


しゅ
gati

仏教用語。死後における存在の状態をいう。人はその存命中の行為に応じて,死後それぞれの新たな生存の状態に到達するが,仏教では異説がある。地獄における生存 (地獄) ,死霊としての生存 (餓鬼) ,獣類としての生存 (畜生) ,阿修羅としての生存 (修羅) ,人間としての生存 (人) ,神々としての生存 (天) の6種を六趣といい,前3者を三悪趣,あとの3者を三善趣といったりする。また三悪道,三善道とも称する。

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