精選版 日本国語大辞典 「蹄鉄」の意味・読み・例文・類語
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ウマのひづめの底につける鉄製の輪で、ひづめの保護をするもの。人類は蹄鉄の発明によって、乗用、荷用、車用としてウマをよく利用できるようになり、経済や文化を著しく進展させることができた。蹄鉄がいつどこで発明されたかについては不明である。蹄鉄が発明される前は、藁(わら)、布、皮、毛皮などでひづめを保護していた。ローマ人は鉄製のヒポサンダル(馬靴)を用いていた。馬蹄に釘(くぎ)で取り付けた蹄鉄の出現の時期を紀元前後のケルト人によるとする説と、10世紀前後であるとする説がある。
蹄鉄には普通の蹄鉄と氷上蹄鉄があり、現在の競馬用蹄鉄はアルミニウム製である。蹄鉄の形は、前肢用は円形に近く、後肢用はやや楕円(だえん)形になっている。蹄鉄は鉄頭、鉄側、鉄尾の三部に区分される。釘孔(あな)は鉄側にある。釘は蹄の底面の白帯(白線)の外側の蹄底縁(蹄負縁)に打ち込む。
日本では、蹄鉄は、安土(あづち)桃山時代に渡来したポルトガル人や江戸時代のオランダ人を通して知られていた。しかし、江戸末期まで蹄鉄はほとんど用いられず、主として馬沓(うまくつ)(馬草鞋(わらじ))が用いられていた。馬沓は、藁のほかに、女性の髪毛、馬の尾の毛、クジラのひげ、シュロの皮などでもつくられた。江戸中期、将軍徳川吉宗(よしむね)の時代のオランダ馬術紹介の記録には蹄鉄のことを「金沓(かなぐつ)」と訳してある。江戸末期には「蹄鉄」という文字が出現している。
[松尾信一]
『加茂儀一著『騎行・車行の歴史』(1980・法政大学出版局)』▽『日本乗馬協会編『日本馬術史 第四巻』(1940・大日本騎道会/1980・原書房)』
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…青銅器時代のハンガリーの遺跡からは,くつわが出土しているが,初期は革ぐつわをかませていたに違いない。馬具としてはあぶみや蹄鉄も重要なものであるが,その出現にはなお多くの時間を要した。前9世紀後半,アッシリアのシャルマネセル3世時代の騎兵は裸馬に乗り,あぶみもなく,足で馬の腹部を締めつけて走っていた。…
…ウマのひづめに蹄鉄を装着すること。よく使役するウマはひづめの磨滅が成長を上回るのでひづめの磨滅を防ぐために蹄鉄をつける。…
…突出したもの,角あるものは土地の生産力を絶やさぬ力をもつと同時に,外敵の侵入を許さぬ防御の役も果たし,土地を囲う柵や門には角やウニのとげを飾る風習が生じた。これは後に,角に代わって蹄鉄を飾る風習へ変化している。生産力や豊穣あるいは力を体現する神には角を有する例が多く,エジプトのイシスやハトホルは牛の角と日輪を頂く姿,ギリシアのパンやサテュロスも角をもつ姿で表される。…
※「蹄鉄」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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