軍記(読み)ぐんき

精選版 日本国語大辞典 「軍記」の意味・読み・例文・類語

ぐん‐き【軍記】

〘名〙 戦争材料にして記述された書物軍記物軍記物語戦記軍書。〔日葡辞書(1603‐04)〕

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デジタル大辞泉 「軍記」の意味・読み・例文・類語

ぐん‐き【軍記】

戦争を題材として記述した書物。戦記。軍書。
軍記物」「軍記物語」の略。
[類語]軍書兵書戦記

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百科事典マイペディア 「軍記」の意味・わかりやすい解説

軍記【ぐんき】

戦記物語とも。戦乱主題としてある一時代を扱った叙事文学。歴史文学。〈歴史物語〉と異なって,武士の登場とそれによる動乱を主題とする。平安時代の《将門記》《陸奥話記》等を先駆とし,中世の《保元物語》《平治物語》《平家物語》《源平盛衰記》《承久記》《太平記》《明徳記》等をさす。多く和漢混淆(こんこう)文で,語り物としても行われた。おおむね作者は不明で,語られる過程などで原作がさらに増補改修されることが多く,異本が多い。なおこれに準ずるものに,英雄伝記物語として個人的色彩の強い,《義経記》《曾我物語》《信長公記》《太閤記》などの一群の作品がある。
→関連項目清良記戦争文学

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世界大百科事典 第2版 「軍記」の意味・わかりやすい解説

ぐんき【軍記】

日本古典文学の一つのジャンルで,西洋叙事詩武勲詩に当たる。摂関家である九条家の出身で,延暦寺の座主(管長)にも就任した慈円は,その史論書《愚管抄》に,《大鏡》などの〈歴史物語〉について,〈ソレハミナ,タダヨキ事ヲノミシルサント〉したもので,保元の乱(1156)以後武者の世を描きえないと記している。この武者の登場による動乱を作品の主題とするのが〈軍記〉である。〈軍記物〉〈軍記物語〉〈戦記〉〈戦記物〉〈戦記物語〉とも呼ばれるが,いずれの名称も新しく,明治以後の用語である。

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普及版 字通 「軍記」の読み・字形・画数・意味

【軍記】ぐんき

軍の記号、また、戦記。

字通「軍」の項目を見る

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