輪(読み)ワ

デジタル大辞泉 「輪」の意味・読み・例文・類語

わ【輪/▽環】

1 曲げて円形にしたもの。また、円い輪郭。環かん。「鳥が―を描いて飛ぶ」「指―」「花―」
2 軸について回転し、車を進めるための円形の具。車輪。「荷車の―が外れる」
3 桶おけなどのたが。「桶の―がゆるむ」
4 人のつながりを1に見立てていう語。「友情の―を広げる」
5 紋所の名。円形を図案化したもの。
[下接語]浮き輪・渦輪・内輪・腕輪・襟輪・面おも輪・貝輪・金かな輪・唐から輪・口輪・首輪・曲くる輪・ゴム輪・後しず輪・外輪・台輪・知恵の輪・竹ちく輪・稚児ちご輪・茅ちの輪・月の輪・吊つり輪・弦つる輪・泣き輪・喉のど輪・花輪・鼻輪・埴はに輪・吹き輪・前輪・三つ輪・耳輪・指輪・両輪
[類語]リング・鐶・輪っぱ・輪っか・丸っこい・丸まっちい・丸丸・丸い・丸まろい・真ん丸・円まろやか・円まどか・円つぶら・円形・球形・球状・輪形・円・同心円・半円・楕だ円・長円・大円・真円・正円・真ん丸い・くりくり・たまご形・ループ・丸まる・丸める・丸・団団・団子状

りん【輪】[漢字項目]

[音]リン(呉)(漢) [訓]わ
[学習漢字]4年
〈リン〉
1 車のわ。また、自転車や自動車のこと。「輪禍/銀輪・競輪けいりん・後輪・車輪・前輪・動輪・両輪・三輪車」
2 車のわのように円形のもの。「輪舞/火輪・月輪・光輪・大輪・日輪・年輪・半輪・外輪山・五輪旗」
3 まわり。「輪郭/覆輪」
4 順番が回ってくる。「輪読・輪廻りんね・輪番」
5 仏教で、大地をささえているわ。「金輪際こんりんざい」
6 仏教で、五大(地水火風空)のこと。「五輪塔」
〈わ〉「面輪おもわ・金輪かなわ・首輪・喉輪のどわ・花輪・指輪」

りん【輪】

[名]
1 大きく円形に開いた花冠。
「あれだけ―の大いのは世間に珍しい」〈鉄腸・花間鶯〉
2 「覆輪ふくりん」の略。
[接尾]助数詞。
1 咲いている花を数えるのに用いる。「一輪の菊」
2 車輪を数えるのに用いる。「二輪車」「四輪の馬車」

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精選版 日本国語大辞典 「輪」の意味・読み・例文・類語

わ【輪・環】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. ① まるく曲げたもの。また、まるい形のもの。また、その形。環(かん)。→りん(輪)。
      1. [初出の実例]「耳の輪(ワ)旧のと殊になり」(出典:西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)九)
      2. 「観阿彌は、必打出んとては、左のばちをもちながら、太このわに手をかけ」(出典:わらんべ草(1660)四)
    2. ② 車の左右にあり、軸の周囲に回転して、車を進める円形の具。車輪。
      1. [初出の実例]「独輪(車ノワ)のごとくに四生の区に廻りつつ」(出典:東大寺諷誦文平安初期点(830頃))
    3. ③ 桶などの箍(たが)。
      1. [初出の実例]「わのきれたる手おけ」(出典:御伽草子・おようの尼(室町時代短篇集所収)(室町末)下)
    4. ④ 厄よけまじないの「ちのわ(茅輪)」のこと。
      1. [初出の実例]「輪作事木守役也」(出典:大乗院寺社雑事記‐文正元年(1466)六月晦日)
    5. ⑤ 屋根の石が転がって落ちないように、竹木をまるく曲げて、その上に石を置くもの。
      1. [初出の実例]「取(とりぶき)の屋根の輪(ワ)、扇の要刻み」(出典:浮世草子・日本永代蔵(1688)三)
    6. ⑥ 紋所の名。蛇の目輪、菊輪、毛輪、唐草輪などの種類がある。
      1. 蛇の目輪@毛輪@菊輪@唐草輪
        蛇の目輪@毛輪@菊輪@唐草輪
  2. [ 2 ] 〘 接尾語 〙 曲げて輪状にしたものを数えるのに用いる。
    1. [初出の実例]「其の麻(を)の三勾(わ)遺(のこ)れるに因(よ)りて、其地を名づけて美和(みわ)と謂ふぞ」(出典:古事記(712)中)

りん【輪】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. ① 車のわ。車輪(しゃりん)。
    2. ② 車輪の形をしている物。まるい物。輪状の物。わ。
      1. [初出の実例]「りむは輪也、〈略〉日輪・月輪・車輪等これ也」(出典:名語記(1275)三)
    3. ③ 一つの花の花びらの全体。また、大きく花が咲いている様子。また、その花。
      1. [初出の実例]「からうして花のりん三つ四つ奉りすて行ぬ」(出典:四季物語(14C中頃か)五月)
    4. ④ ( 「輪」は、かわるがわるの意 ) 「りん(輪)の手」の略。
    5. ⑤ ( 「輪」は、外のまわりの意 ) 衣服の襟(えり)・袖(そで)・裾(すそ)などに別の布でへりをとったもの。袖べり、そぎえり、半襟(はんえり)、覆輪(ふくりん)など。
      1. [初出の実例]「八尺ばかりありけるくちなはが、おとどのさしぬきの左のりんをはひまはりけるを」(出典:平家物語(13C前)四)
    6. ⑥ 仏具の一つ。輪宝のこと。伝法灌頂には受者が両足の間にはさむ。
      1. [初出の実例]「羯磨四枚・輪一枚・橛八枚」(出典:参天台五台山記(1072‐73)四)
    7. ⑦ 仏教で、法を広めることを車輪が回ることにたとえたもの。法輪。
      1. [初出の実例]「もろもろの菩薩おほく、みなことごとく利根にして、不退の輪(リン)(〈注〉ノリ)を転せん」(出典:妙一本仮名書き法華経(鎌倉中)三)
  2. [ 2 ] 〘 接尾語 〙
    1. ① 咲いている花冠・花の数をかぞえるのに用いる。
      1. [初出の実例]「冬の梅は、一りん二りんかすかに咲て匂ふこそ、あはれふかからめ」(出典:宗長手記(1522‐27)下)
    2. ② 車に付いている車輪の数をかぞえるのに用いる。「一輪車」

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普及版 字通 「輪」の読み・字形・画数・意味

輪
常用漢字 15画

[字音] リン
[字訓] わ・くるま・まわり

[説文解字]

[字形] 形声
声符は侖(りん)。侖は相次第してまとまるもの、また一対となるものをいう。〔説文〕十四上に「輻(ふく)るを輪と曰ひ、輻無きを(せん)と曰ふ」とあり、車輪の意。輻は輪中の矢、三十本を用いる定めであった。は葬車に用いることが多い。車輪の意よりして輪廓・輪番のように用いる。

[訓義]
1. わ、くるまのわ、くるま。
2. まわる、めぐる、まわり、まるいもの。
3. かわるがわる。
4. 輪人、車つくり。
5. まるい形のものを教える助数詞。

[古辞書の訓]
〔和名抄〕輪 和(わ)〔名義抄〕輪 メグル・イタス・ワ・クルマノワ 〔字鏡集〕輪 メグル・ヒガサ・イタス・ワ・クルマノアシ・クルマノワ

[語系]
輪・侖・淪liunは同声。圓(円)hiunは声義近く、侖声の字に、まるく輪となって相次第する意がある。その周辺をめぐることを圍(囲)hiui、衛ることを衞(衛)hiuatという。

[熟語]
輪運▶・輪鞅▶・輪蓋▶・輪廓▶・輪▶・輪郭▶・輪姦▶・輪煥▶・輪環▶・輪奐▶・輪輝▶・輪菌▶・輪▶・輪形▶・輪軒▶・輪坐▶・輪彩▶・輪次▶・輪車▶・輪扇▶・輪旋▶・輪船▶・輪対▶・輪値▶・輪逓▶・輪▶・輪転▶・輪番▶・輪班▶・輪輻▶・輪輿▶・輪流▶
[下接語]
一輪・羽輪・火輪・環輪・金輪・銀輪・九輪・月輪・後輪・轂輪・摧輪・車輪・朱輪・徐輪・夕輪・隻輪・扇輪・前輪・双輪・大輪・馳輪・輪・鉄輪・転輪・投輪・日輪・年輪・伐輪・半輪・比輪・飛輪・氷輪・扶輪・覆輪・輪・宝輪・法輪・輿輪

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世界大百科事典(旧版)内の輪の言及

【襟∥衿】より

…首飾品を元来用いなかった中国漢民族社会に襟の文化が発達したが,それは日本の服装にも大きな影響を与えている。【杉本 正年】 日本でも埴輪や高松塚の壁画に見られるように,古くは左衽の衣服であったが,中国の影響を受けて奈良時代の大宝令(701)では男は盤領,女は垂領,いずれも右衽にせよと明示された(服制)。これは平安時代以降の公家装束にも引き継がれる。…

【車】より

…この言葉は2通りの意味で使われる。一つは車輪wheelの意味,もう一つは車輪で動く乗物一般,つまり車両vehicleの意味である。
【車輪の歴史】
 車輪は回転運動装置のうちでは最も代表的なもので,その発達はろくろ,旋盤,ドリル,水車,風車などの歴史と密接なかかわりをもっていたと思われる。…

※「輪」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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