輿車・腰車(読み)こしぐるま

精選版 日本国語大辞典 「輿車・腰車」の意味・読み・例文・類語

こし‐ぐるま【輿車・腰車】

〘名〙
① 輿と車。また、輿や車。
説経節あいごの若(山本九兵衛板)(1661)五「あじゃり聞召、都のあいご、はじめてとうざんへまいるならば、こしくるまきばのかずみてまいれ」
② 轅(ながえ)の真中あたりに人を乗せる部分のついた車。輦車(れんしゃ)
令集解(868)職員「跡云。輦者。己之久留万」
③ (腰車) 相手を腰にのせて投げとばすこと。また、柔道の投げ技の一つ。相手を斜め前に崩(くず)しながら引きつけて腰を深く入れ、腰を軸にして大きく回転させて投げる技。
浄瑠璃神霊矢口渡(1770)三「両方から組み付く首筋引っ掴み、右と左へもんどり打せ、寝言が透さず後ろより、しっかと抱くを腰車」
④ (腰車) 腰を輪切りにすること。腰を横から水平に斬ること。
謡曲烏帽子折(1480頃)「熊坂も大太刀使ひの、曲者なれば、早足(さそく)を使って十方斬り、八方払ひや腰車、破入(はにゅう)の返し風捲り」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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