辞宜(読み)ジギ

デジタル大辞泉 「辞宜」の意味・読み・例文・類語

じ‐ぎ【辞宜/辞儀】

[名](スル)
頭を下げてあいさつをすること。おじぎ
「驚いた様に鳥渡ちょいと―して」〈小杉天外・初すがた〉
遠慮すること。辞退すること。
学文がくもんせぬの、手習ひせなんだのと、―する事はない」〈松翁道話・一〉

じん‐ぎ【辞宜/辞義】

《「じぎ(辞宜)」の音変化》あいさつ。えしゃく。
「申し上ぐるところの―、余儀なし」〈曽我・二〉

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精選版 日本国語大辞典 「辞宜」の意味・読み・例文・類語

じ‐ぎ【辞宜・辞儀】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 挨拶(あいさつ)すること。頭を下げて礼をすること。また、その礼。おじぎ。
    1. [初出の実例]「Iiguiuo(ジギヲ) トトノエル」(出典日葡辞書(1603‐04))
    2. 「今おまへに、じぎして、いッた、達者そふな、ぢぢいは」(出典:洒落本・遊子方言(1770)発)
    3. 「少し隔った所から大石に辞儀(ジギ)をして控へてゐる」(出典:青年(1910‐11)〈森鴎外〉二)
  3. ( 「時宜」「時儀」から転じた用法 ) 遠慮すること。辞退すること。また、その遠慮。おじぎ。時宜。
    1. [初出の実例]「作右は母にじぎもなく、さいつさされつ式作法」(出典:浄瑠璃・心中万年草(1710)中)

じん‐ぎ【辞宜・辞義】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「じぎ(辞宜)」の変化した語 ) あいさつ。えしゃく。
    1. [初出の実例]「われをうやまはぬ人なればとて、うやまはざらんもあしき事也。いかにもしんきは人にかはらぬ事也」(出典:極楽寺殿御消息(13C中)二七条)

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