日本大百科全書(ニッポニカ) 「辻政信」の意味・わかりやすい解説
辻政信
つじまさのぶ
(1902―?)
陸軍軍人、政治家。石川県生まれ。陸軍士官学校、陸軍大学校卒業。1934年(昭和9)陸士生徒隊中隊長。1937年関東軍参謀。ノモンハン事件では強硬論を主張し、1個師団壊滅の大敗を喫した。その後、台湾軍研究部員、参謀本部作戦班長、陸大教官などを歴任。1944年ビルマ(現ミャンマー)第三三軍参謀。1945年第一八方面軍参謀としてバンコクで敗戦を迎えたが、戦犯指名を恐れて逃走。1948年(昭和23)帰国。逃走中の記録『潜行三千里』がベストセラーとなる。1952年衆議院議員当選。1959年参議院議員。1961年ラオス旅行中に行方不明となり、1968年死亡宣告がなされた。
[小田部雄次]
『杉森久英著『辻政信』(1963・文芸春秋新社)』▽『高山信武著『二人の参謀――服部卓四郎と辻政信』(1999・芙蓉書房出版)』