近長谷寺(読み)きんちようこくじ

日本歴史地名大系 「近長谷寺」の解説

近長谷寺
きんちようこくじ

[現在地名]多気町長谷

櫛田くしだ川中流域右岸、標高二八〇余メートルのしろ山の山頂近くにある。山号泊瀬山、真言宗山階派。本尊十一面観音(国指定重要文化財)

天暦七年(九五三)二月一一日付の近長谷寺資財帳(当寺蔵。国指定重要文化財)によれば「件寺元者、泰俊之先祖正六位上飯高宿禰諸氏、法名仏子観勝之御蔭存生間、勧内外近親等、以去仁和元年所建立」とあり、泰俊(座主東大寺伝燈大法師)の先祖にあたる飯高諸氏(法名観勝)が内外近親らに勧めて、仁和元年(八八五)に建立したものという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報