迸る(読み)ホトバシル

デジタル大辞泉 「迸る」の意味・読み・例文・類語

ほと‐ばし・る【×迸る】

[動ラ五(四)]《古くは「ほとはしる」「ほどはしる」とも》
勢いよく飛び散る。また、激しく流れ出る。噴き出る。「鮮血が―・る」「蛇口から水が―・る」
とびあがる。おどりあがる。
やつかれが王、喜び―・りて」〈神功紀〉
[類語]飛び散る跳ねるはじけるはぜる弾む飛ぶぼとぼとぼたぼたぽたぽたほろほろぽろぽろぽとぽとぼろぼろたらたらだらだらはらはらぽつぽつぱらぱらばらばらぽろりほたほたぽつりぽつりぽつりぽつんはらりぱらりほろりぽたりどくどくたらりちょろちょろちょろりとくとくしたたりだくだくぽとり滴る滴り落ちる垂らす垂れるこぼれるあふれる

と‐ばし・る【×迸る】

[動ラ五(四)]飛び散る。ほとばしる。「谷川の雪解け水が―・る」

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精選版 日本国語大辞典 「迸る」の意味・読み・例文・類語

ほと‐ばし・る【迸】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙 ( 古くは「ほとはしる」「ほどはしる」「ほどばしる」とも )
  2. とびあがる。とびはねる。おどりあがる。
    1. [初出の実例]「仍て山壑(やまたに)より遁(にけホトハシ)て詣(いま)せる所を知らず」(出典日本書紀(720)継体即位前(前田本訓))
  3. 勢いよく飛び散る。たばしる。噴出する。
    1. [初出の実例]「丘を簸あけ巒を跳(ホトハシラ)しめ」(出典:漢書楊雄伝天暦二年点(948))

と‐ばし・る【迸】

  1. 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙 勢いよくとび散る。ほとばしる。たばしる。
    1. [初出の実例]「みづのふかくはあらぬがさらさらと人のあゆむにつけてなりつつ、とばしりたる、いとをかし」(出典:堺本枕(10C終)一九五)

迸るの語誌

中古和文では、挙例訓点資料、古辞書に見られる程度である。ホトバシルとトバシルは類義語であるが、ホトバシルは上代ではとび上がる意で用いられており、とび散る意は中古に入ってかららしく、トバシルとは本来別の意味だったと思われる。また、トは瀬戸のトで、狭い所を噴き出すの意とも考えられる。

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