精選版 日本国語大辞典 「退行」の意味・読み・例文・類語
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精神発達が止まり、逆の方向に進むこと。一般的には、組織化され分化した行動や表現が未成熟な発達段階に逆戻りすることで、幼児的になることをいう。たとえば、解決困難な状況に遭遇したとき人格的な独立性を失い、依存的になることなどである。精神分析では、性心理的発達につまずき、発達が部分的に停止し、そこに固着点が残されると、強いフラストレーションにさらされたときなどに、固着した段階に退行するといわれる。ヒステリーは性心理的発達が幼児的な男根期(エディプス期)に逆戻りし、強迫神経症では肛門(こうもん)期に逆戻りしていると考えられる。この意味では退行は好ましいものではなく病的なものと考えられるが、これと反対に積極的な意味をもつ退行も考えられる。たとえば、ゲシュタルト心理学のケーラーの回り道の研究が示しているように、困難な問題に直面したとき一歩退いて考えると問題解決につながるように、一時的に退行することは創造的活動には必要であると考えられる。こうした健康な退行は、自我のコントロールの下での退行とか創造的退行といわれる。これは発達的な意味での退行でなく、精神分析でいう場所論的な退行である。一般に心理的緊張は運動反応で解放されるが、これが阻止され、外的な運動反応にかわって内的な想像や空想がおきるからである。この想像、空想が創造的意義をもつのである。
[外林大作・川幡政道]
『エルンスト・クリス著、馬場礼子訳『芸術の精神分析的研究』(1976・岩崎学術出版社)』▽『マイクル・バリント著、中井久夫訳『治療論からみた退行――基底欠損の精神分析』(1978・金剛出版)』
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…ここで,身長の高い父親から生まれた息子の平均身長は父ほど高くなく,身長の低い父親から生まれた息子の平均身長は父ほど低くないという関係がある。F.ゴールトンは1889年この関係を発見し退行と名づけ,直線を退行直線もしくは回帰直線と名づけた。これが回帰という名称の起源である。…
…この抵抗は,患者自身が認めたくない衝動を無意識へと押し戻した自我の働きと同一のものである。また空想をも含む自由な連想が奨励されること,治療者の受容的態度,安楽な寝椅子の使用などの条件によって,患者は心理的に退行し,彼の幼年時代の重要な人物(主として両親)に向けた感情や欲求が再現し,これを治療者にさし向けてくる。この現象は転移(感情転移)とよばれるが,しばしば言語的表出よりも挙動によって表現される。…
※「退行」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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