逆様(読み)サカサマ

デジタル大辞泉 「逆様」の意味・読み・例文・類語

さか‐さま【逆様/倒】

[名・形動]
物事上下左右前後裏表などの関係本来状態とは反対になっていること。また、そのさま。ぎゃく。さかさ。さかしま。「―から読んでも同じ言葉」「セーターを裏表―に着る」「壁の絵が―だ」
道理事実に反すること。また、そのさま。さかさ。さかしま。「言う事とする事が―だ」「娘に説教されるとは―だ」
特に、子が親より先に死ぬこと。
「―ながら御回向ゑかうを、受けますこともあらうも知れず」〈人・娘節用・三〉
[類語]反対あべこべ裏腹逆さ裏返し裏表うらおもて右左みぎひだり上下うえした後ろ前正反対真逆本末転倒主客転倒裏返すひっくり返す覆す翻す倒す跳ね返す転覆逆転転がす転ばすかす寝かす横たえる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「逆様」の意味・読み・例文・類語

さか‐さま【逆様・倒】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
  2. 上下のはっきりしているものの位置、順序などが逆になっているさま。さかさ。さかしま。
    1. [初出の実例]「則、倒(サカサマ)に人の笑(ゑ)める顔(かほ)(て)れり」(出典:日本書紀(720)神代下(寛文版訓))
    2. 「天の下をさかさまになしても思ふたまへよらざりし御ありさまを見たまふればよろづいとあぢきなくなん」(出典:源氏物語(1001‐14頃)須磨)
  3. 特に、親や祖父母より先に子や孫が死ぬこと。
    1. [初出の実例]「さかさまの御歎き絶ゆる世なく」(出典:増鏡(1368‐76頃)一〇)
    2. 「逆(サカ)さまながら御回向を、受ますこともあろうも知れず」(出典:人情本・仮名文章娘節用(1831‐34)三)
  4. 事実や道理に反すること。また、そのさま。うらはら。さかさ。さかしま。
    1. [初出の実例]「大族王の淫刑虐(サカサマナル)政を以て自ら畺の場を守り」(出典:大唐西域記長寛元年点(1163)四)

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