逆浪(読み)ゲキロウ

デジタル大辞泉 「逆浪」の意味・読み・例文・類語

げき‐ろう〔‐ラウ〕【逆浪】

さかまく波。世の中が乱れていることのたとえにもいう。ぎゃくろう。
「この宮ぞ、誠に四海の―をも静められて」〈太平記・三四〉
[類語]波浪さざ波白波逆波津波土用波うねり小波大波高波荒波波濤怒濤激浪男波女波余波徒波あだなみ横波海嘯夕波波頭なみがしら波頭はとう波の花波間

ぎゃく‐ろう〔‐ラウ〕【逆浪】

さかまく波。さかなみ。げきろう。

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精選版 日本国語大辞典 「逆浪」の意味・読み・例文・類語

げき‐ろう‥ラウ【逆浪】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「げき」は「逆」の漢音 ) さかまく波。さかなみ。比喩的に、世の中の乱れていることのたとえにもいう。ぎゃくろう。
    1. [初出の実例]「魚疲逆浪鱗雖泥。風払重霄翅自冲」(出典本朝麗藻(1010か)下・感勘解藤相公賢郎茂才蒙課試之綸旨聊呈鄙懐〈源孝道〉)
    2. 「朝敵を平げて四海の逆浪(ケキラウ)をしづむる事は無双の忠なれども」(出典:高野本平家(13C前)二)

ぎゃく‐ろう‥ラウ【逆浪】

  1. 〘 名詞 〙 逆風によって起こる波。流れに逆らって打つ波。さかまく波。さかなみ。げきろう。
    1. [初出の実例]「逆浪(ギャクロウ)遠漲、急流如矢」(出典:富山之記(16C中))
    2. [その他の文献]〔杜甫‐別董頲詩〕

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