逮夜(読み)タイヤ

デジタル大辞泉 「逮夜」の意味・読み・例文・類語

たい‐や【逮夜】

仏教で、葬儀前夜。また、忌日の前夜。

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精選版 日本国語大辞典 「逮夜」の意味・読み・例文・類語

たい‐や【逮夜・&JISEED3;夜・大夜・太夜】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「逮」「迨」はおよぶの意で、翌日の火葬におよぶ前夜の意 )
  2. 死去の次の日で火葬または、葬儀の前夜。または、忌日の前夜。
    1. [初出の実例]「昏鐘鳴諷経称太夜諷経」(出典:瑩山清規(1324)下)
    2. 「葬式も済み、待夜(タイヤ)も済んで」(出典:硝子戸の中(1915)〈夏目漱石〉三六)
    3. [その他の文献]〔勅修百丈清規‐三〕
  3. 転じて、法会の前夜。
    1. [初出の実例]「あすの御たいやにせんほうなとありしを」(出典:御湯殿上日記‐長享二年(1488)六月三日)
  4. 浄土真宗で、親鸞(しんらん)命日(二八日)の前夜。
    1. [初出の実例]「十月廿八日の逮夜に」(出典:蓮如上人御一代記聞書(16C後)本)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「逮夜」の意味・わかりやすい解説

逮夜
たいや

大夜とも書き、宿夜(しゅくや)とも称す。大夜とは大行(だいぎょう)(死のこと)の夜をいう。また一昼夜六時日没(にちもつ)、初夜、中夜、後夜、晨朝(じんじょう)、日中)に分けて、日没時ともいう。逮の原義は「明日に及ぶ」という意味で、今日では前夜の意味に転用され、葬式年忌(ねんき)法要の前夜の意味に用いられている。

[藤井正雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「逮夜」の意味・わかりやすい解説

逮夜
たいや

大夜などとも呼ばれ,元来,葬儀の前夜をさしたが,現在では,年忌などの前夜のことをいう。

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普及版 字通 「逮夜」の読み・字形・画数・意味

【逮夜】たいや

夜になる。

字通「逮」の項目を見る

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