精選版 日本国語大辞典 「進水」の意味・読み・例文・類語
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船台上またはドック内で建造した船を水に浮かべること。船台で建造された船は船体工事がおおよそ完成すると、進水用として船台に固定した固定台と、船体に固定した滑走台がつくられる。この二つを進水台といい、滑走台が固定台の上を滑って進水する。これらは普通2条設けられるが、大型船では3~4条になる。固定台と滑走台の間に直径9センチメートルほどの鋼球を挟んで摩擦を減らし船を滑らせるボール進水と、鋼球のかわりにヘット(牛脂)を挟むヘット進水とがある。
建造途中の船の船底と船台の間は1メートルほどあいており、船の重量は積み木のような形の木材を積み重ねた盤木(ばんぎ)や支柱などで支えられている。進水が近くなると木製の固定台を船台上に並べる。コンクリート製の固定台があらかじめ船台の一部として作り付けになっている場合もある。次に固定台と船底の間へ滑走台を引き込み、滑走台と船底の間へくさび状の木材(進水矢)をのせ、ワイヤなどで滑走台を船底に引き付けて固定する。また、滑走台と固定台の間に鋼球またはヘットを挟む。この時点で船の重量は盤木や支柱で支えられており、ほとんど進水台にはかかっていない。進水当日になると進水矢を打ち込んで滑走台をしっかり船体に固定するとともに、盤木や支柱を徐々に取り外してゆく。すると、船体重量はしだいに進水台にかかってゆき、進水直前になると、梃子(てこ)を数段に組み合わせたトリガーtrigger(引き金装置)で船が滑り出すのを止めている状態になる。進水式場まで引いてある綱が切断されると、このトリガーが外れて船が滑り出すようにしてある。巨大な船体が相当のスピードで進水する光景は壮観ではあるが、もし滑らなかったり止まったりしたら、重い船体をふたたび滑らすのは至難のわざである。進水は建造工程の節目でもあり儀式でもあって、やり直しができない。日本では船を長さ方向へ滑らせる縦進水が普通であるが、対岸までの距離が短い河川に面した造船所では、進水した船が対岸へ乗り上げる恐れがある。そこで、河川に平行な船台で建造した船を横方向に滑らせて、進水後の走行距離を短くする方法があり、海外にその例がみられる。
ドック内で船を建造することも多く、この場合はドックへ水を引き入れるだけで船が浮かぶ。作業が簡単であり安全度も高いから、超大型船の建造、進水にはこの方法がとられる。そのほか、小型船ではトロッコのような台車を使う進水、あるいはクレーンで船をつって浮かべる進水もある。
[森田知治]
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…もとは帆走軍艦に積んでいたオールと帆を使う大型ボート。後には同じ用途の艦載大型モーターボートもランチと呼び,さらに船載と限らず,港内や河川,湖沼などで人員の輸送に使う大型モーターボートにも同じ名称を使うようになった。日本では港内交通艇をいい,全長15m程度,簡単な船室と座席を有し,船速10ノット強。沖がかりする入港船と陸の間の人員輸送がおもな用途である。【野本 謙作】…
…また艤装についても,ブロックの建造時に取り付けてしまう先行艤装が積極的に採用されている。
[進水から引渡しまで]
船体の形ができ上がると船を海に浮かべる進水作業が行われ,このとき命名式と進水式が盛大に行われる(ただし,ドックで建造した場合はドックに注水して船を浮上させるので,本来の進水式はない)。進水した船は艤装岸壁へ曳航ののち係留され,主機をはじめ,あらゆる機器,金物がクレーンで積み込まれ船内で取り付けられ,調整されていく。…
※「進水」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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