遅日(読み)チジツ

デジタル大辞泉 「遅日」の意味・読み・例文・類語

ち‐じつ【遅日】

《日あしがのびて、暮れるのが遅いところから》春の日。 春》「この庭の―の石のいつまでも/虚子
[類語]日永

おそ‐ひ【遅日】

遅き日」に同じ。

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精選版 日本国語大辞典 「遅日」の意味・読み・例文・類語

ち‐じつ【遅日】

  1. 〘 名詞 〙 ( 日脚がのびて、日暮れがおそいというところから ) 春の日。なかなか暮れない春の一日。また、なかなか沈まない春の太陽。《 季語・春 》
    1. [初出の実例]「遅日未銷辺路雪、暖煙遍着主人楊」(出典文華秀麗集(818)上・春日餞野柱史奉使存問渤海客〈巨勢識人〉)
    2. 「遅日(チジツ)影長くして光を惜まず」(出典:虞美人草(1907)〈夏目漱石〉一七)
    3. [その他の文献]〔杜甫‐城西陂泛舟詩〕

おそき【遅】 日(ひ)

  1. ( 日が暮れるのが遅い意から ) 春の日。長い日。遅日(ちじつ)。《 季語・春 》
    1. [初出の実例]「いでやらぬかど、をそき日のかげなどいふ句も春なり」(出典:無言抄(1598)下)
    2. 「遅き日のつもりて遠きむかしかな」(出典:俳諧・蕪村句集(1784)春)

おそ‐ひ【遅日】

  1. 〘 名詞 〙ちじつ(遅日)

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普及版 字通 「遅日」の読み・字形・画数・意味

【遅日】ちじつ

春の日。唐・杜審言〔湘江を渡る〕詩 遲日、園林に昔を悲しむ 今春、鳥、邊愁を作(な)す 獨りれむ、京國の人南(なんざん)せられ 湘江の水の北するに似ざるを

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