精選版 日本国語大辞典 「運上」の意味・読み・例文・類語
うん‐じょう ‥ジャウ【運上】
はこび‐あ・げる【運上】
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中世では、荘園(しょうえん)の年貢を領主のもとへ運ぶことを運上と称したが、中世末期ころから課税の意にも用いられるようになり、近世に至って小物成(こものなり)(雑税)の一種の意を確立した。
近世においては、商業、工業、漁業、狩猟業、運送業などの各種の営業に従事する者に賦課された。本来は、一定の税率をもって納付するものを運上といい、税率なく、免許を得て営業する者が納付するものを冥加(みょうが)という。しかし、両者は同一義に用いられる場合が少なくなかった。運上、冥加は年季を限って賦課され、その賦課額は年により増減した。年季満期には願いによって審議し、延長が許可された。賦課額が増減することからみれば浮役(うきやく)に属する。運上の種類には、水車、市場、問屋、油絞(あぶらしぼり)、絹、紙漉(かみすき)、酒、鉄砲、金銀銅鉄明礬(みょうばん)硫黄(いおう)砥石(といし)山、長崎などの諸運上があり、また地方により特殊な種目が存在した。
[川鍋定男]
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出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
(1)中世,年貢を京都の領主のもとへ運び納めること。租税としての意味はない。(2)江戸時代の雑税で小物成(こものなり)の一種。おもに商・工・鉱業や漁・狩猟など各種の営業や生業に対し一定の税率で課税したもので,営業税・免許税の性格をもつ。類似のものに冥加(みょうが)があるが,冥加は税というより献金としての性格が強く,税率は一定していない。しかし両者とも浮役(うきやく)の一部とされたので,普通は混同して用いられている。運上の種類は多様で,おもなものに水車運上・問屋(といや)運上・池運上・鳥運上・油船運上・鉄砲運上・酒運上・海苔運上などがあった。幕府では,運上の収納を勘定所の運上方がつかさどった。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…飛驒国で中世末のころから行われた百姓稼山(白木稼ともいう)は,領主の御林山で用材を採出した跡に放置された残材(根木,末木,悪木,枝条など)を処理して,各種の白木類(短軽材や割材)を再生産するか,または御林内の枯損木(立枯木や風・雪折木など)から家作木や白木・薪などを採出して,近隣諸国にまで売りさばくことを免許された稼山をいう。この稼山製品には山役人の検木と,採材量に応じた運上の負担が義務づけられていた。類似の稼山は木曾,伊那の御林山にも見られたが,その多くは臨時的に行われる〈御救山(おすくいやま)〉であったことと,出願者が村単位であった点に多少の相違が見られる。…
※「運上」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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