運転(読み)ウンテン

デジタル大辞泉 「運転」の意味・読み・例文・類語

うん‐てん【運転】

[名](スル)
大きな機械作動させること。「発電機運転し始める」
列車自動車などを操作して走らせること。
資金などをうまく運用し活用すること。やりくりすること。「会社運転に充てる金」
天体時間が、巡り回ること。運行
地球正則きまりどおり―して」〈逍遥当世書生気質
[類語](1作動稼動起動/(2操作操縦操舵そうだ面舵取り舵舵を取る運航運行走行通行交通操る

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「運転」の意味・読み・例文・類語

うん‐てん【運転】

  1. 〘 名詞 〙 物事が巡り回ること。また、巡らし回すこと。
  2. 天体、時節などが巡り回ること。運行。
    1. [初出の実例]「老至鏡中変恠形、天時運転遂無停」(出典:法性寺関白御集(1145か)運転左時至)
    2. [その他の文献]〔荘子‐天運〕
  3. 機械や乗り物などが、人力動力で動くこと。また、動かすこと。操縦すること。
    1. [初出の実例]「車の運転するやうにするぞ」(出典:寛永刊本蒙求抄(1529頃)二)
    2. 「監督の一人が人だかりの中を烈しくベルを踏みながら其儘本所の車庫の方へ運転して行った」(出典:正義派(1912)〈志賀直哉〉上)
  4. ( 比喩的に ) 団体の組織や体の器官などが活動すること。また、それらを活動させること。
    1. [初出の実例]「凡そ人の血気安眠して閑なる則運転して自足至頭ぞ」(出典:四河入海(17C前)二五)
  5. ( 比喩的に ) 物事をうまくやりくりして使うこと。資本を運用すること。運用。
    1. [初出の実例]「むつかしき戸部官にて、金穀を運転する辛苦あり」(出典:四河入海(17C前)一一)

運転の語誌

( 1 )もともと、天体、時節、また、回転するものなどの「めぐりうごく」ことの意で自動詞的に用いられた。その後のような機械の働きと似た、身体器官の活動を表わす自動詞的用法の例も見えるようになる。
( 2 )他動詞的な例としては、古く、挙例「四河入海」の「金穀を運転する」のような例があり、それが今日に及んでいる。近代機械文明展開で、機械、ことに動力、輸送機関を動かす意に用いられるようになって他動詞としての範囲が広がったが、この用法が一般化するのは大正以降と考えられる。

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普及版 字通 「運転」の読み・字形・画数・意味

【運転】うんてん

めぐる。〔荘子天運(ある)いは其れ轉して、自ら止まること能はざるか。

字通「運」の項目を見る

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