精選版 日本国語大辞典 「過飽和」の意味・読み・例文・類語
か‐ほうわ クヮハウワ【過飽和】
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気体の圧力、溶液での濃度などが、その温度に相当した飽和値以上になっても、過剰量が別の相として分離していない状態をさす。このような準安定状態になんらかの刺激が加わると、突如として安定状態に移行するので、過剰の液体、または固体の析出がおこり、かなりの熱エネルギーの放出がおこる。実験室などでよくつくられるのはチオ硫酸ナトリウムの過飽和水溶液である。市販のハイポ(チオ硫酸ナトリウムの五水和物)を加熱すると、やがて結晶水の中に溶解してしまい、きわめて濃厚な溶液ができる。これを静かに室温に冷却しても、結晶の析出はない。つまり典型的な過飽和溶液がつくられるのである。これに結晶のかけらを投入すると、これが核となってただちに結晶が生成し、著しい量の熱を発生することがわかる。冷却した空気の中の水蒸気も過飽和になりやすく、高山の樹氷(霧氷)の生成もこれが原因で、樹枝の先端部が氷晶の核となって風上方向に成長がおこる。
溶液から結晶を生成させるときに、器壁をこすったり振動を与えたりするのは、過飽和となることをできるだけ回避するためである。準安定状態から安定状態へ移行させるための刺激を与えることに相当している。
[山崎 昶]
空気中の水蒸気圧が飽和水蒸気圧より大きくなっても凝結をおこさない状態をいう。大気中での凝結と飽和状態との関係は複雑で、未飽和で凝結がおこることもあれば、過飽和でなければ凝結がおこらないこともある。大気中には凝結核となる塵埃(じんあい)や塩類などの微粒子が多く含まれているので、イオンや水分子のみを凝結核とする場合のような著しい過飽和になることはないと考えてよい。
[股野宏志]
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蒸気の圧力,溶液の濃度などが,その温度に相当する飽和値以上になってもなお過剰量の分離を起こさずにいる状態.これは準安定状態であって,なんらかの刺激によってこの状態は破られ,蒸気の場合は液体を,溶液の場合は溶質を分離析出して安定状態に移行する.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
冬期3カ月の平均気温が平年と比べて高い時が暖冬、低い時が寒冬。暖冬時には、日本付近は南海上の亜熱帯高気圧に覆われて、シベリア高気圧の張り出しが弱い。上層では偏西風が東西流型となり、寒気の南下が阻止され...
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