精選版 日本国語大辞典 「道祖神」の意味・読み・例文・類語
どうそ‐じん ダウソ‥【道祖神】

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サエノカミ、ドーロクジンなどといったり、塞大神(さえのおおかみ)、衢神(ちまたのかみ)、岐神(くなどのかみ)、道神(みちのかみ)などと記されたりもする。猿田彦命(さるたひこのみこと)や伊弉諾・伊弉冉尊(いざなぎいざなみのみこと)などにも付会していることがある。境の神、道の神とされているが、防塞(ぼうさい)、除災、縁結び、夫婦和合などの神ともされている。一集落あるいは一地域において道祖神、塞神(さえのかみ)、道陸神(どうろくじん)などを別々の神として祀(まつ)っている所もあり、地域性が濃い。峠、村境、分かれ道、辻(つじ)などに祀られているが、神社に祀られていることもある。神体は石であることが多く、自然石や丸石、陰陽石などのほか、神名や神像を刻んだものもある。中部地方を中心にして男女二体の神像を刻んだものがあり、これは、山梨県を中心にした丸石、伊豆地方の単体丸彫りの像とともに、道祖神碑の代表的なものである。また、藁(わら)でつくった巨大な人形や、木でつくった人形を神体とする所もある。これらは地域や集落の境に置いて、外からやってくる疫病、悪霊など災いをなすものを遮ろうとするものである。古典などにもしばしば登場し、平安時代に京都の辻に祀られたのは男女二体の木の人形であった。神像を祀っていなくても、旅人や通行人は峠や村境などでは幣(ぬさ)を手向けたり、柴(しば)を折って供えたりする風習も古くからあった。境は地理的なものだけではなく、この世とあの世の境界とも考えられ、地蔵信仰とも結び付いている。
道祖神の祭りは、集落や小地域ごとに日待ちや講などで行われることもあるが、小(こ)正月の火祭りと習合し、子供組によって祭られることが多い。また、信越地方では家ごとに木で小さな人形を一対つくり、神棚に祀ったあと道祖神碑の前に送ったり、火祭りに燃したりする所もある。このほか2月8日あるいは12月15日に藁馬を曳(ひ)いてお参りに行く所もある。これらの祭りには、厄神の去来とその防御、道祖神の去来など、祭りの由来についての説話が伝えられていることがある。また中部地方や九州地方などで、祭祀(さいし)の起源を近親相姦(そうかん)と結び付けて語る所もある。
[倉石忠彦]
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…死んだ妊婦を埋葬した土中から赤子の泣声が聞こえたという伝説を持つ塚。赤子塚が,峠,村の境,交通の要地などに位置しているのは,境の神つまり道祖神とのかかわりの深いことを示している。古来,赤子の霊は再生するものと信じられており,その管理は境の神にゆだねられていた。…
…男女生殖器の形の石で,道祖神,サエノカミとしてまつられたり,あるいは奉納される場合が多い。陰は女性,陽は男性であるが,人工的に刻む場合と,自然石にそのような形を認め,これをまつる場合とがある。…
…このことから結婚の仲だちをする人のことを縁結びの神ということがある。その他村のはずれ,辻などにある道祖神(サエノカミ)や,淡島(あわしま)様も縁結びの神といわれて,願かけがされ,仲人をサエノカミとよぶ地域もある。 また良縁を祈って願をかける縁結びの木もある。…
…《賽の河原地蔵和讃》は〈死出の山路の裾野なる賽の河原の物がたり〉で,十にも足らない幼き亡者が賽の河原で小石を積んで塔を造ろうとするが,地獄の鬼が現れて,いくら積んでも鉄棒で崩してしまうため,小児はなおもこの世の親を慕って恋い焦がれると,地蔵菩薩が現れて,今日より後はわれを冥途の親と思え,と抱きあげて救うようすがうたわれている。賽とは石を積んで仏に賽する意と思われるが,さいのかみ(道祖神)のさい(障る)からきた語とも考えられている。石が道祖神と関係があったからである。…
…この時期は,農作業が開始される以前に,予祝の意味で呪的儀礼が行われる。境の神である道祖神祭はおもに子供組によって行われ,小正月の火祭(左義長)として定着しているが,農耕祭の一環にも位置づけられている。それは道祖神の神体が性器だからである。…
…《爾雅(じが)》釈親に〈父の党を宗族となす〉というように,中国において,女系を排除した共同祖先から分かれる男系血続のすべてを〈宗族〉といい,〈同族〉〈族党〉〈族人〉などの語も同義である。宗族と〈親族属〉とは違う。〈親属〉は日本語の親族と同じで,自己の宗,すなわち〈本宗〉(〈本族〉)と婚姻関係で結ばれた〈外姻〉とを含む。外姻は〈同姓不婚〉の原則が示すように必ず他姓である。しかし〈姓〉には歴史的変遷があり,同宗ならば必ず同姓であるが同姓は必ずしも同祖と限らない。…
…この範域は原則的に地租改正に引き継がれ,現在の大字(おおあざ)の範囲となっている。範域としての境界においても道祖神(どうそじん)がまつられたり,道切りが行われることもあるが,事例的には少なく,一般的には村境として強く意識されていない。ムラの人々が村境として意識し,さまざまな呪術的行事を行う社会的境界は集落と耕地の境である。…
※「道祖神」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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