遠賀(読み)おんが

改訂新版 世界大百科事典 「遠賀」の意味・わかりやすい解説

遠賀[町] (おんが)

福岡県北部,遠賀郡の町。人口1万9160(2010)。遠賀川下流の西岸に位置し,西端部に南北に走る低い山地があるほかは大部分が遠賀川の沖積平野からなる。低湿平地古く遠賀潟と称する入江であったが,干潟の埋積や永年の干拓事業によって現在の耕地が形成された。JR鹿児島本線,国道3号線が中央部を東西に走り,北九州市に近く交通至便のため,第2次世界大戦前から北九州工業地帯への通勤者が多く,近年は特にベッドタウン化が著しい。主産業は米作,野菜栽培の農業であるが,都市化の進行により農地が減少し兼業化が進んでいる。工場誘致は小規模にとどまり,北九州市への経済的依存が大きい。縄文~弥生時代の遺跡や古墳が町内各地にある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「遠賀」の意味・わかりやすい解説

遠賀(町)
おんが

福岡県北部、遠賀郡にある町。1964年(昭和39)町制施行。遠賀川下流左岸に位置し、低湿な沖積地が広がる。国道3号、JR鹿児島本線が通じる。稲作を中心とした農業地域であるが、古くから北九州工業地帯へ通勤者を出す兼業農家が多かった。産炭地域振興で、鉱害地を埋め立てて工業団地造成、また遠賀川駅付近では宅地造成も進行し、北九州市のベッドタウンとなっている。面積22.15平方キロメートル(境界一部未定)、人口1万8723(2020)。

[石黒正紀]


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百科事典マイペディア 「遠賀」の意味・わかりやすい解説

遠賀[町]【おんが】

福岡県北部,遠賀川下流の遠賀郡の町。鹿児島本線が通じる。干拓地が広がる水田地帯をなすが,北九州工業地帯の発展にともない,兼業化が進んでいる。近年は住宅地化が著しい。南部に工業団地がある。22.15km2。1万9160人(2010)。

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