郢書燕説(読み)えいしょえんせつ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「郢書燕説」の意味・わかりやすい解説

郢書燕説
えいしょえんせつ

うまく理屈をあわせること。こじつけ、牽強付会(けんきょうふかい)。中国・春秋戦国時代に、楚(そ)の都郢からきた手紙に対して、燕の国の人がとった解釈という意。とある郢の人が、ある夜、燕の国の宰相(さいしょう)に手紙を書いたが、灯火が暗いので、召使いに「燭(しょく)を挙げよ」と命じ、うっかり「挙燭」というこのことばをそのまま、手紙に書き込んでしまった。これを読んだ宰相は、「挙燭」の語を「明(めい)を尊べ」の意と誤って解し、王に進言して賢者を登用し、大いに治績をあげた、と伝える『韓非子(かんぴし)』「外儲説(がいちょせつ)左上篇(へん)」の故事による。

[田所義行]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android