都状(読み)とじょう

精選版 日本国語大辞典 「都状」の意味・読み・例文・類語

と‐じょう‥ジャウ【都状】

  1. 〘 名詞 〙 泰山府君をまつって寿命延長を祈る時、奉る祭文
    1. [初出の実例]「然ば其の人の名を祭の都状に注して申代へ試みむ」(出典:今昔物語集(1120頃か)一九)

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改訂新版 世界大百科事典 「都状」の意味・わかりやすい解説

都状 (とじょう)

陰陽道で行われる祭りに奉られる祭文。最古の遺存例は1050年(永承5)の後冷泉天皇のもので,泰山府君はじめ,12の冥道諸神をまつり,銀銭,白絹鞍馬,勇奴など献上の旨が記される。延命長寿を願うほか藤原実行の1138年(保延4)の例のように官位昇進祈願なども含まれる。そのほか都状の現存遺物としては,江戸時代歴代天皇の天曹地府祭(てんちゆうちふさい),金神祭,方凶謝祭などによるものが二十数通知られている。
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