精選版 日本国語大辞典 「酢酸鉛」の意味・読み・例文・類語
さくさん‐なまり【酢酸鉛】
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
酢酸と鉛がつくる塩。酢酸鉛(Ⅱ)と酢酸鉛(Ⅳ)がある。一般に市販されているものは酢酸鉛(Ⅱ)三水和物で、甘味があるので鉛糖とよばれることがあり、昔は甘味料としてワインなどに用いられていたといわれているが、非常に有毒である。
酢酸鉛(Ⅱ)は酸化鉛(Ⅱ)を温希酢酸に溶かして冷却すると析出する。有毒なので取り扱うときは粉末を吸わないように防塵(ぼうじん)マスクを使用し、十分注意する必要がある。各種鉛塩の製造に用いられるほか、収斂(しゅうれん)剤として湿布に使用される。
酢酸鉛(Ⅳ)(CH3COO)4Pbは四酢酸鉛ともよばれ、分子量443.4、融点175℃、比重2.228。四酸化三鉛Pb3O4を少量の無水酢酸と反応させることによって合成する。ベンゼン、クロロホルムに溶けるが、水に触れると分解して酸化鉛(Ⅳ)となる。有機合成反応で選択的酸化剤として重要で1,2-ジオールの炭素‐炭素結合(C-C)の切断などに用いられる。
[佐藤武雄・廣田 穰]
酢酸鉛(Ⅱ),(Ⅳ)がある.単に酢酸鉛というときはPb(CH3COO)2・3H2O(鉛糖)をいう.【Ⅰ】酢酸鉛(Ⅱ):Pb(CH3COO)2(325.29).酸化鉛(Ⅱ)に温希酢酸を加えて溶かし,冷却すると三水和物が得られる.三水和物を75 ℃ で熱すると無水物が得られる.無水物は白色の結晶.融点204 ℃.密度3.12 g cm-3.三水和物は無色の単斜晶系結晶.密度2.54 g cm-3.融点75 ℃.いずれも水,グリセリンなどに易溶.鉛塩の製造原料,鉛めっき,防水加工,ワニス製造,顔料製造,染髪剤,分析試薬,医薬品,染色用に用いられる.有毒.[CAS 301-04-2:Pb(CH3COO)2][CAS 6080-56-4:Pb(CH3COO)2・3H2O][CAS 1335-32-6:Pb(CH3COO)2・2PbO・2H2O]【Ⅱ】酢酸鉛(Ⅳ):Pb(CH3COO)4(443.38).四酢酸鉛ともいう.四酸化三鉛を氷酢酸に溶かし,冷却すると得られる.無色の単斜晶系の結晶.融点175 ℃.密度2.23 g cm-3.熱酢酸,クロロホルムに溶けるが,水には分解して酸化鉛(Ⅳ)となる.有機合成で強酸化剤として用いられる.[CAS 546-67-8]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
地震や風雨などによる著しい災害のうち、被災地域や被災者に助成や財政援助を特に必要とするもの。激甚災害法(1962年成立)に基づいて政令で指定される。全国規模で災害そのものを指定する「激甚災害指定基準に...
9/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新