精選版 日本国語大辞典 「酸化物」の意味・読み・例文・類語
さんか‐ぶつ サンクヮ‥【酸化物】
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酸素のみを陰性成分として含む化合物をいう。したがって、フッ化酸素OF2のように酸素が陽性成分となっているものや、オキソ酸塩(たとえばNa2SO4)のように他の元素と複合して陰性成分となっているものは、酸素を含んでいても酸化物とはいわない。たとえば地球上にきわめて広く存在する水H2Oは水素の酸化物であり、岩石の主要成分の二酸化ケイ素SiO2はケイ素の酸化物、赤さびの成分である酸化鉄(Ⅲ)Fe2O3は鉄の酸化物である。
[中原勝儼]
酸化物のうち、酸と反応して塩をつくる酸化物を塩基性酸化物といい、塩基と反応して塩をつくる酸化物を酸性酸化物、酸にも塩基にも反応してそれぞれの塩をつくるような酸化物を両性酸化物という。たとえば、多くの非金属元素の酸化物(二酸化炭素CO2、二酸化硫黄(いおう)SO2など)や、遷移元素の高酸化数酸化物(酸化クロム(Ⅵ)CrO3、酸化マンガン(Ⅶ)Mn2O7など)は酸性酸化物である。
CO2+NaOH―→NaHCO3
SO2+KOH―→KHSO3
CrO3+2KOH―→K2CrO4+H2O
酸性酸化物は水と反応すると酸を生ずるので、酸化物を酸の無水物とみて、たとえばCO2を無水炭酸、SO2を無水亜硫酸、CrO3を無水クロム酸など(上記いずれも正式名称ではない)とよぶこともある。
また一般に金属の酸化物は塩基性酸化物で、次のように反応する。
K2O+H2SO4―→K2SO4+H2O
CaO+2HCl―→CaCl2+H2O
周期表上、非金属元素のグループと金属元素のグループの境界領域にくる元素で、たとえばアルミニウム、亜鉛、スズ、ヒ素、アンチモンなどの酸化物は両性酸化物である。たとえば酸化亜鉛ZnOは、
ZnO+2HCl―→ZnCl2+H2O
ZnO+2NaOH+H2O
―→Na2[Zn(OH)4]
のように酸とも塩基とも塩をつくる。
酸、塩基と反応しない酸化物は中性酸化物ということがある。たとえば水、一酸化炭素CO、一酸化窒素NOなどがそうである。
酸化物のうち、陰性成分として過酸化物イオンO22-ないしは-O-O-を含むものを過酸化物といっている。たとえば過酸化水素H2O2、過酸化ナトリウムNa2O2などがそうである。またO2-を含む化合物は超酸化物、たとえばKO2は超酸化カリウムとよばれ、O3-を含む化合物はオゾン化物、たとえばKO3はオゾン化カリウムとよばれる。
[中原勝儼]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
酸素と希ガス以外のほかの元素との化合物.元素と酸素とを直接作用させるか,水酸化物や酸素酸塩を強熱して得られる.水に溶けたときに示す性質によって,酸性酸化物,中性酸化物,塩基性酸化物,および両性酸化物に分けられる.一般に,金属の酸化物は塩基性酸化物であり,非金属の酸化物は酸性酸化物である.普通の酸化数より高い酸化数をもつ金属酸化物は酸化剤としてはたらき(MnO2,PbO2),低い酸化数をもつ酸化物は還元剤としてはたらく(CO,SO2).また水と作用しないものを不動酸化物といい,金属の腐食防止に利用される.酸化物のなかには半導体として重要な用途をもつものが少なくない.[別用語参照]過酸化物,超酸化物
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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