醜名(読み)シュウメイ

デジタル大辞泉 「醜名」の意味・読み・例文・類語

しゅう‐めい〔シウ‐〕【醜名】

よくないうわさ。不名誉な評判。醜聞。「醜名を流す」
[類語]醜聞スキャンダル悪名汚名悪声札付き面汚しさら汚点名折れ不名誉不面目悪評不評曰く付き訳有り虚名

しこ‐な【醜名】

(「四股名」とも当てて書く)相撲力士の呼び名。「双葉山」「大鵬」など。
あだ名
いみなのこと。本名。〈名義抄
自分の名を謙遜していう語。
明理あきまさ濫行行成ゆきなりが―呼ぶべきにあらず」〈大鏡伊尹
[類語]筆名ペンネーム雅号芸名源氏名俳号

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精選版 日本国語大辞典 「醜名」の意味・読み・例文・類語

しこ‐な【醜名】

  1. 〘 名詞 〙
  2. いみ名のこと。本名。実名。
    1. [初出の実例]「諱 イミナ イム カクル シコナ」(出典:観智院本名義抄(1241))
  3. 自分の名をへりくだっていう語。
    1. [初出の実例]「明理(あきまさ)の乱行に、行成がしこなよぶべきにあらず」(出典:大鏡(12C前)三)
  4. あだな。異名。
    1. [初出の実例]「としにもたらぬ女ばうの、ごしゃうだいじと、たしなむに、いざや、しこなをつけて、よばんとて、ひたちこはぎを、ひきかへて、ねんぶつこはぎと、おつけある」(出典:説経節・をくり(御物絵巻)(17C中)一〇)
  5. ( 「四股名」とも書くがあて字 ) 相撲の力士の呼び名。谷風、雷電、双葉山などの類。
    1. [初出の実例]「しこ名之異名を付候もの有之候はば、早々可申上候、いにしへより相撲取候もの異名付候とも、向後は其名堅可為無用事」(出典:御触書寛保集成‐四五・慶安二年(1649)七月)

しゅう‐めいシウ‥【醜名・臭名】

  1. 〘 名詞 〙 よくない、恥になるような風聞。悪いうわさ。聞きぐるしい評判。醜聞。臭名。
    1. [初出の実例]「その偶々伝はる者もその臭名聞く者鼻を掩ふ」(出典:明六雑誌‐三七号(1875)賞罰毀誉論〈中村正直〉)
    2. [その他の文献]〔墨子‐天志中〕

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改訂新版 世界大百科事典 「醜名」の意味・わかりやすい解説

醜名 (しこな)

力士の名のり。平安末期の《類聚名義抄》には〈シコナ,イミナ〉とあり,あだ名のことで,自分の名の謙称である。いまでは力士の名のり(呼名)に専用され,〈四股名〉は江戸時代からの当て字である。力士が土俵に登場して,準備運動の四股(力足)を踏むところから,この当て字が生じた。力士の呼名として,平安時代から出身地を頭に冠して〈薩摩氏長〉のように用いられていたが,室町時代には浪人した武士が,強そうな醜名をつけ集団で巡業したことから始まる。江戸勧進相撲が制度化して番付を発行するようになってからは,大名に抱えられた力士は藩ゆかりの醜名をつけられ,また出身地の山河の名からとり,名勝旧跡の由来,動植物などの名称をつける者もいた。引退後の年寄名もこれらの醜名からそのまま転じたもので,その年寄名の師名にちなんだ醜名も多い。54代横綱輪島のように本名をそのまま力士名として横綱まで昇進したものもいるが,十両の関取になってもそのまま本名を名のるのは近年のことで,これは醜名とはいえない。
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普及版 字通 「醜名」の読み・字形・画数・意味

【醜名】しゆう(しう)めい

悪名。〔墨子、天志中〕(・紂・幽・)是れを天と謂ふ。天下の醜名を聚斂して、之れに加ふ。

字通「醜」の項目を見る

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「醜名」の解説

醜名
しこな

四股名とも。相撲力士の名乗。相撲力士が本名以外の名乗で相撲を勤めた史料上の所見は,中世末期に諸国を巡業した相撲人(すまいびと)の,稲妻・辻風などの名乗にまでさかのぼる。近世の勧進相撲興行では,醜名として自然現象や郷土の山・川の名などを名のる慣例が定着し,それが現代の大相撲興行にまで継承されている。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

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