精選版 日本国語大辞典 「重水」の意味・読み・例文・類語
じゅう‐すい ヂュウ‥【重水】
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
水は水素Hと酸素Oの化合物であるが、水素には1H(プロチウムH)、2H(ジュウテリウムD)、3H(トリチウムT)の三つの安定同位体があり、酸素には16O、17O、18Oの三つの安定同位体がある。このうち1Hと16Oからできている水を軽水といい、それ以外のHとOとの組合せからできている水を重水という。普通の水は軽水(分子量18)を99.76%含み、それ以外の重水として のようなものが含まれている。このような含有量は、水の起源、場所などにかかわらずほぼ一定であるが、西アジアの死海や、あるいは深海の水、ある種の生体などでは重水がやや濃縮されている。また、これらの重水のうち、比較的容易に手に入るのは酸化ジュウテリウムD216Oなので、これを重水D2Oということが多い。D2Oの電解速度はH2Oの数分の1程度であるため、水酸化アルカリを含む水溶液を電気分解すると、残液が徐々に重水に富むようになり、また発生する水素中のD2濃度が高くなり、これを酸化して前段階の電解液に加えて濃縮を進める。これにより10万トンの水から約10トンの重水が得られる(そのほか同位体交換法によっても得ることができる)。
重水は、通常の水と同じく無色・無臭の液体で、定性的な性質もほとんど変わらない( )。しかし定量的にはかなりの違いがあり、一般に反応性が乏しく、塩類の溶解度なども小さい。生物に対しては、重水の濃度が小さいときは、生体に対する阻害作用はみられないが、濃くなると現れ、たとえば高等動植物は重水中で正常の呼吸作用や、炭酸同化作用を行うことができなくなり死に至る。D2Oは中性子を吸収することがきわめて少ないので、原子炉の中性子減速材や冷却材として用いられ、その原子炉を重水型原子炉という。
[中原勝儼]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
…このように水の研究は近代化学の発展の最も重要ないとぐちの一つとなったものである。
[軽水と重水]
水は天然に得やすく,精製しやすい物質であるから,19世紀以来,多くの物理量の基準として利用されてきた。たとえば,純水1lの質量を1kgとし,純水の融点を0℃,沸点を100℃とし,また1gの水の温度を1℃上昇させるのに必要な熱量を1calとするなどである。…
※「重水」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報
地震や風雨などによる著しい災害のうち、被災地域や被災者に助成や財政援助を特に必要とするもの。激甚災害法(1962年成立)に基づいて政令で指定される。全国規模で災害そのものを指定する「激甚災害指定基準に...
9/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新