精選版 日本国語大辞典 「野心」の意味・読み・例文・類語
や‐しん【野心】
〘名〙
① (形動) 山犬や狼の子が、人に飼われても野にあった時のことを忘れず、飼主を害そうとする荒い心。馴れ親しまないで他を害そうとする心。また、そのように思うさま。
※吾妻鏡‐元暦二年(1185)五月二四日「全不レ
二野心一之旨、奉レ請二驚日本国中大小神祇冥道一」

③ ひそかに抱いている、あるいは、その人に不相応な望み。また、新しい大胆な試みにとり組もうとする気持。
※親長卿記‐文明六年(1474)四月三日「仍懸レ橋自他人々往反云々。凡大慶歟。且無為珍重。但不レ知二心中之野心一」
⑤ いやしい心。野卑な心。また、自分の心をへりくだっていう。
※性霊集‐四(835頃)進悉曇等書表「毎レ見二〈略〉杜氏草勢一、未三甞不二野心忘レ憂、山情含一レ笑」
の‐ごころ【野心】
〘名〙
※定家鷹三百首(1539)春「春の日のうららかにある荒鷹や野心もなくやかて見ゆらん」
② 山野を慕い、遊びに行きたいと思う気持。
※俳諧・毛吹草(1638)六「花の比は野心つかぬ人もなし〈意敬〉」
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