金気(読み)カナケ

デジタル大辞泉 「金気」の意味・読み・例文・類語

かな‐け【金気/鉄気】

水中に溶けて含まれている鉄分。また、そのにおいや味。
新しい鉄製の鍋・釜・鉄瓶などで湯を沸かすときに染み出る赤黒い渋。「―を抜く」
(金気)金属類。金物類。
(金気)金銭に関すること。また、金銭を持っていること。「一銭たりとも―は身につけない」
(金気)将棋で、金将銀将のこと。

きん‐き【金気】

五行四季に配すると、金は秋に当たるところから》秋のけはい。秋気
「―蕭条として忽ち至る殺風景」〈鏡花・日本橋〉

かね‐け【金気】

かなけ

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精選版 日本国語大辞典 「金気」の意味・読み・例文・類語

かな‐け【金気・鉄気】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 水や土に含まれている金属の気。鉄分。また、そのにおいや味。かなっけ。
    1. [初出の実例]「いか程種(たね)が好うても、畠にかなけのある所は、何ぼふ蒔いても育たぬ」(出典浄瑠璃・源氏冷泉節(1710頃)下)
  3. 新しい鉄びんや鍋で湯をわかす時に浮かび出る、赤黒いもの。
    1. [初出の実例]「銅でしたる物にはかなけがでて腥くさで、鉄でしたる物にはさびがでて渋てわるいぞ」(出典:四河入海(17C前)二〇)
  4. 金属にぞくする物。
    1. [初出の実例]「わかねつけにはじしゃくを付たり。〈略〉何によらず金気の類はわれらがこしに取付候」(出典:咄本・かの子ばなし(1690)上)
  5. 金銭の運。また、金銭。
    1. [初出の実例]「久しう銀(カナ)けの物申請けぬ」(出典:浮世草子好色二代男(1684)三)

きん‐き【金気】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 五行の説を四季に配すると金は秋にあたるところから ) 秋のけはい。秋気。
    1. [初出の実例]「乞巧夜闌金気清、何人不口道長生」(出典:再昌草‐永正三年(1506)七月七日)
    2. [その他の文献]〔杜甫‐毒熱寄簡崔評事十六弟詩〕
  3. 金銭に関する縁。また、金銭。かなけ。
    1. [初出の実例]「まだわが信心がたらぬやら、さりとては金気(キンキ)うすく」(出典:談義本・当風辻談義(1753)一)

かね‐け【金気】

  1. 〘 名詞 〙かなけ(金気)

かなっ‐け【金気】

  1. 〘 名詞 〙 「かなけ(金気)」の変化した語。

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普及版 字通 「金気」の読み・字形・画数・意味

【金気】きんき

秋気。

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