鉄筋コンクリート(読み)てっきんコンクリート(英語表記)reinforced concrete

精選版 日本国語大辞典 「鉄筋コンクリート」の意味・読み・例文・類語

てっきん‐コンクリート【鉄筋コンクリート】

〘名〙 (コンクリートはconcrete) 鉄筋組み合わせ、まわりにコンクリートをうちこんだもの。また、その建造物。〔社会新辞典(1907)〕
※東京灰燼記(1923)〈大曲駒村〉一三「此春出来たばかりの相生署の鉄筋コンクリートの、恐ろしいハイカラな建物の」

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デジタル大辞泉 「鉄筋コンクリート」の意味・読み・例文・類語

てっきん‐コンクリート【鉄筋コンクリート】

鋼材を組み合わせ、周りをコンクリートを打ち込んで固めたもの。圧力にも引っ張り力にも強く、建造物の耐久・耐震性を高める。RC(reinforced concrete)。

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百科事典マイペディア 「鉄筋コンクリート」の意味・わかりやすい解説

鉄筋コンクリート【てっきんコンクリート】

RC(reinforced concreteの略)とも。引張りに強い丸棒鋼と圧縮に強いコンクリートを組み合わせた構造材料。19世紀半ばに発明され,20世紀になって土木建築各方面で多用されるようになった。日本では1923年の関東大震災を機に,その耐震性・耐火性が認識され,広く利用されるようになった。コンクリートと鉄の組合せは熱膨張係数がほぼ等しく,また鉄の防腐にもなり,強固で耐久力がある。鉄筋の太さは6〜32mm,コンクリートとの付着力を増した異形棒鋼も使われる。→プレストレストコンクリート
→関連項目赤煉瓦エンヌビク骨材

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鉄筋コンクリート」の意味・わかりやすい解説

鉄筋コンクリート
てっきんコンクリート
reinforced concrete

鉄筋で補強したコンクリート。コンクリートの中に棒状の鋼材 (鉄筋) を埋込んで,圧縮力に強いコンクリートと,引張り力に強い鉄筋の両者特性を生かした構造材。コンクリートの中で鉄筋は錆びにくく,コンクリートと鉄筋は付着力が強く,熱膨張率が近似しているなど,両者の組合せはきわめて合理的で,耐火,耐震,耐久構造方法として,土木建築に欠かせないものとなっている。フランスの技術者 J.モニエ (1823~1906) の発明とされているが,19世紀末における鉄筋コンクリートの出現は,ヨーロッパ,アメリカの新建築運動と結びつき,産業の発展に支えられて,建築の様式と構造技術に新生面を開き,煉瓦造や石造では不可能な大きな開口,スパンの大きい屋根や橋,柱と梁をなくした広い空間,高層ビルの建設へと発展した。鉄筋コンクリートは基礎工事,骨組構造,構造材として広く用いられている。

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世界大百科事典 第2版 「鉄筋コンクリート」の意味・わかりやすい解説

てっきんコンクリート【鉄筋コンクリート reinforced concrete】

RCとも略称される。コンクリート中に鉄棒を埋め込んでつくられた複合材料で,コンクリートと鉄棒の両者が一体となって外力に抵抗する。コンクリートは,耐火性,耐久性,耐水性に富み,相当の圧縮強度を有し,構造材料としての広い用途をもっている。しかしながら本質的な欠点として引張りに対してはきわめて弱く,引張強度は,ふつう圧縮強度の7~10%程度にすぎない。一方,鉄棒は引張りに対しては強いが,曲がりやすく,圧縮力を受けるのには適していない。

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家とインテリアの用語がわかる辞典 「鉄筋コンクリート」の解説

てっきんコンクリート【鉄筋コンクリート】

鉄筋を組み合わせて芯にし、周りをコンクリートで固めたもの。建築物の構造に用いる。引っ張り力に強い鉄筋と、圧縮力に強いコンクリートを組み合わせて強度を高めた、耐久性・耐火性にすぐれたものとされる。◇「RC」ともいう。これを用いた構造を「鉄筋コンクリート造」「RC造」という。

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世界大百科事典内の鉄筋コンクリートの言及

【コンクリート】より

…コンクリートが硬化するまでは水を静止させておかなければならない。繊維補強コンクリートfiber reinforced concreteコンクリートにガラス質,あるいは鋼製の繊維を混入したもの。鋼繊維補強コンクリートとガラス繊維補強コンクリートがある。…

【近代建築】より

…オーストリアのO.ワーグナーは《近代建築Moderne Architektur》(1895)を著して近代運動の先駆となり,その影響下にベーレンス,ロース,J.ホフマンらを輩出した。またフランスではA.ペレが古典主義の造形を基調にしたコンクリート造建築をつくり,鉄筋コンクリート技術者エンヌビクFrançois HennebiqueやボドAnatole de Baudotらによる試みをさらに発展させた。都市のイメージに対しても,1918年T.ガルニエが〈工業都市〉案を提出し,中世都市をモデルとする都市理念を払拭した。…

【コンクリート】より

…しかし構造用材料として本格的に用いられるようになったのは,18世紀の終りに水硬性セメントが発明されてコンクリートが石材に代りうる強さを獲得してからのことである。さらに19世紀以降は補強材としての鋼材を用いた鉄筋コンクリートの出現や,水とセメントとの比率の研究,コンクリートの性質を向上させる各種の混和材料の発明,新しい施工法の開発などとあいまって,土木・建築用材料として飛躍的な発展を遂げ今日に至っている。日本にコンクリート技術が導入されたのは1900年前後であるが,欧米諸国ではコンクリートの各種の方面への利用の実現性を図っていた時期とほぼ一致していたこと,また関東大震災により従来の煉瓦造が壊滅的な被害を受け,鉄筋コンクリート構造の耐震性,耐火性が認識されたことなどからコンクリートの利用が広範に推し進められた。…

【鉄筋コンクリート造建築】より

…主要骨組みを鉄筋コンクリートで構成する構造を鉄筋コンクリート造reinforced concrete constructionといい,鉄筋コンクリート造による建築を鉄筋コンクリート造建築と呼ぶ。RC造建築ともいう。…

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