中村草田男(くさたお)の第一句集。1936年(昭和11)沙羅(さら)書店より刊行。28歳から35歳までの338句を収録。句集名は集中の「蟾蜍(ひきがえる)長子家去る由もなし」による。この句に、俳句においても負うべきものを負い、為(な)すべきことを為そうとする決意をみる評者が多い。この句集で、写生を土台とする象徴手法を用いての心理表現や、童心に似た驚きを生かす新鮮な句風を樹立、思想や観念を歌う現代俳句への道を開いた。「玫瑰(はまなす)や今も沖には未来あり」「秋の航一大紺円盤の中」「降る雪や明治は遠くなりにけり」など。
[鷹羽狩行]
『『長子』(1979・みすず書房)』
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
突発的に発生し、局地的に限られた地域に降る激しい豪雨のこと。長くても1時間程度しか続かず、豪雨の降る範囲は広くても10キロメートル四方くらいと狭い局地的大雨。このため、前線や低気圧、台風などに伴う集中...