長恨歌曲(読み)ちょうごんかのきょく

改訂新版 世界大百科事典 「長恨歌曲」の意味・わかりやすい解説

長恨歌曲 (ちょうごんかのきょく)

箏曲曲名山田検校作曲。山田流奥歌曲。流祖作歌(さくうた)奥四曲(よつもの)の一つ。歌詞白楽天(白居易)の《長恨歌》の翻案に,謡曲楊貴妃》を一部加味したもので,連歌師高井薄阿の作詞ともいわれる。1800年(寛政12)版《山田の穂並》に歌詞初出。叙事的な部分には河東(かとう)節をとり入れ,抒情的な部分は流祖独自の節まわしとなっている。〈霓裳羽衣(げいしよううい)の曲〉の後の間奏は能の〈序ノ舞〉に相当し,雅楽風の間奏である〈楽(がく)の手〉を使用。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「長恨歌曲」の意味・わかりやすい解説

長恨歌曲【ちょうごんかのきょく】

山田流箏(そう)曲の曲名。白楽天の《長恨歌》を翻案した歌詞に山田検校が作曲。流祖作歌奥四曲(よつもの)の一曲。江戸浄瑠璃風の語りも巧みにとり入れた格式の高い曲。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

五節舞

日本の上代芸能の一つ。宮廷で舞われる女舞。大歌 (おおうた) の一つの五節歌曲を伴奏に舞われる。天武天皇が神女の歌舞をみて作ったと伝えられるが,元来は農耕に関係する田舞に発するといわれる。五節の意味は...

五節舞の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android