出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
藤原俊成(しゅんぜい)の家集。1178年(治承2)、出家直後の65歳のときに自撰(じせん)され、仁和寺(にんなじ)守覚法親王に進献された。479首を収載。上巻が百首歌、中巻は四季・賀・恋、下巻は雑(ぞう)・釈教・神祇(じんぎ)の構成となっている。書名は最終官職の皇太后宮大夫(だいぶ)にちなみ、皇后宮の唐名長秋宮に拠(よ)ったものである。青壮年期の歌会歌や百首歌などの題詠の歌が大半であるが、概して叙情性の濃い作風で、物語、漢詩、和歌などの古典の場面や表現を摂取して内容を濃密化させる詠作手法を駆使した作品が多い。
[松野陽一]
『松野陽一著『藤原俊成の研究』(1973・笠間書院)』
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