長竿(読み)ナガザオ

デジタル大辞泉 「長竿」の意味・読み・例文・類語

なが‐ざお〔‐ざを〕【長×竿/長×棹】

《「ながさお」とも》
長いさお。さお竹・釣りざおなどの長いもの。
長持をいう女房詞
《長いさおで、帰り客の舟を岸から突き離したからという》江戸時代遊女が客を冷淡にあしらうこと。また、客のほうから遊女と縁を切ること。
「お前をば―にして」〈伎・盟三五大切〉

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精選版 日本国語大辞典 「長竿」の意味・読み・例文・類語

なが‐ざお‥ざを【長竿・長棹】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ながさお」とも )
  2. 長いさお。竿竹(さおだけ)などの長いもの。
    1. [初出の実例]「長棹をもち、庭をあなたこなたと振りまはる」(出典:咄本・醒睡笑(1628)一)
  3. 釣竿(つりざお)の長いもの。長い釣竿。
    1. [初出の実例]「義理と恩との銕丸(おもり)をかけ、つらい年季の長棹(ナガザホ)を浮して」(出典:人情本・春色梅児誉美(1832‐33)後)
  4. 長持(ながもち)をいう女房詞。〔公家言葉集存(1944)〕
  5. ( で舟を岸から突きはなすところからいうか ) 江戸時代、遊女が客を冷淡にあしらうこと、あるいは客と縁をきること。また、客の方から遊女と縁をきるのにもいう。
    1. [初出の実例]「呉服屋の手代に〈略〉長竿(ナガザホ)くはせて置たが」(出典:洒落本・禁現大福帳(1755)二)

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普及版 字通 「長竿」の読み・字形・画数・意味

【長竿】ちようかん

長い竿。

字通「長」の項目を見る

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