新しく造った画像や彫像の如来・菩薩・天部・明王・祖師像などを賛嘆供養し,神威を迎えることをいう。略して開眼,または開明,開光明といい,遷仏ともいう。この開眼に事・理二相を説くのは《和語灯録》第5で,〈開眼と申すは,本体の仏師がまなこをいれ,ひらきまいらせ候を申候也。これを事の開眼と申候也。つぎに僧の仏の真言をもて,まなこをひらき,大日の真言もて,ほとけの一切の功徳を成就し候をば理の開眼と申候也〉という。日蓮は《本尊問答鈔》に〈木像画像の開眼は唯法華経に限るべし〉という。日本で最初に行われた開眼供養は752年(天平勝宝4)4月9日の東大寺大仏開眼会である。聖武天皇,光明皇后が願主となり,婆羅門僧正菩提遷那を大導師とし,僧一千,文武百官これに列した一大盛儀で,この時用いられた開眼筆や開眼縷をはじめ法要諸用具はいまも正倉院宝庫に伝えられている。
執筆者:光森 正士
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新たに造られた仏像や仏画を堂宇に安置する際に行う儀式。仏眼を開き魂を請じいれる意味で開眼といい,香華(こうげ)・護摩(ごま)などの供養をともなう。この儀式をへてはじめて神聖な尊像とみなされた。752年(天平勝宝4)4月に行われた東大寺大仏開眼供養は日本で最初の大規模なものだった。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…二種供養は諸仏を供養する出纏(しゆつてん)供養と衆生に対する在纏(ざいてん)供養となる。さらに対象ごとに,死者の冥福のためにする追善供養,餓鬼のためにする餓鬼供養,虫のためにする虫供養,新しく造立した仏像,仏画,位牌に対する開眼供養,寺院や仏壇に仏像を迎える入仏供養,経文を書写して供養する開題供養,経供養,そのほか堂供養,鐘供養,橋供養などがある。 民間の例としては,2月と12月の8日に針仕事を休み折れた針や錆びた針を豆腐にさし,あるいは蘇鉄の根元に埋めてその霊を供養する針供養をはじめ人形供養,茶筅(ちやせん)供養など供養の対象が無生物にまで及んでいる。…
※「開眼供養」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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