開闢(読み)カイビャク

デジタル大辞泉 「開闢」の意味・読み・例文・類語

かい‐びゃく【開×闢】

[名](スル)
《古くは「かいひゃく」とも》天と地が初めてできた時。世界の始まりの時。「開闢以来の出来事
信仰の地としての山を開き、あるいは初めて寺院などをつくること。また、その人。開山。「高野山開闢
荒れ地などが切り開かれること。
土地、これにりて、次第に―し」〈中村訳・西国立志編

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精選版 日本国語大辞典 「開闢」の意味・読み・例文・類語

かい‐びゃく【開闢】

  1. 〘 名詞 〙 ( 古くは「かいひゃく」。「開」も「闢」も「ひらける」「ひらく」の意 )
  2. 天地の開け始め。世界や国などの始まり。創世。→天地開闢
    1. [初出の実例]「開闢已来、法令尚矣」(出典:続日本紀‐養老三年(719)一〇月辛丑)
    2. 「夫日本開闢(カイヒャク)の始めを尋ぬれば」(出典太平記(14C後)一六)
    3. [その他の文献]〔揚雄‐劇秦美新〕
  3. ( ━する ) 信仰の場としての、山や寺を開くこと。また、その人。開白(かいびゃく)
    1. [初出の実例]「此れ等は併ら大師開闢(カイヒャク)の御跡也」(出典:私聚百因縁集(1257)七)
  4. ( ━する ) 荒れ地などが切り開かれること。
    1. [初出の実例]「従来不黄河水開闢年年只一清」(出典:再昌草‐永正三年(1506)七月七日)

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改訂新版 世界大百科事典 「開闢」の意味・わかりやすい解説

開闢 (かいびゃく)

植民地下朝鮮の雑誌朝鮮語)。三・一独立運動後,〈文化政治〉の始まりの中で1920年6月天道教徒の手によって創刊された。編集人は天道教の理論家李敦化。天道教の準機関誌の性格を帯びていたが,総合雑誌として非教徒の論説も掲載,社会主義の紹介なども積極的に行い,20年代前半の文化・啓蒙活動に大きな役割を果たした。たびたび発禁にあい,26年8月発行禁止となった。通巻72号。同年11月に開闢社は新たに《別乾坤》を発行(1934年まで)。34年11月《開闢》が復刊されたが,3号までしか出せなかった。解放後の46年再び復刊,1926年当時の号数を引きついで49年通巻81号まで刊行。植民地期の分は復刻版がある。
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普及版 字通 「開闢」の読み・字形・画数・意味

【開闢】かいびやく

天地創造のとき。世のはじめ。魏・曹冏〔六代論〕開闢より以來、其の功を興し勳を立つること、未だの易きが(ごと)きらざるなり。

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