間遠(読み)マドオ

デジタル大辞泉 「間遠」の意味・読み・例文・類語

ま‐どお〔‐どほ〕【間遠】

[形動][文][ナリ]
間隔が、時間的または空間的に離れているさま。「いつしか行き来間遠になった」
「―に立っている七、八軒の家の前を」〈露伴・観画談〉
織り目や編み目、結び目が粗いさま。
須磨あま塩焼衣をさを荒み―にあれや君が来まさぬ」〈古今・恋五〉
[類語]遠い遠め程遠い遠く遥か遥けしはるばる遠方遠隔遠路迂遠うえん悠遠遼遠長途遠距離僻遠へきえん万里以遠

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精選版 日本国語大辞典 「間遠」の意味・読み・例文・類語

ま‐どお‥どほ【間遠】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙 ( 「まとお」とも )
  2. 間が遠いさま。時間や空間のへだたっているさま。また、人の間柄などが疎いさま。
    1. [初出の実例]「鵲(かささぎ)のちがふる橋のまどをにてへだつるなかに霜やふるらん」(出典曾丹集(11C初か))
  3. 織り目や編み目のあらいさま。
    1. [初出の実例]「須磨の海人の塩焼衣の藤衣間遠(まとほ)にしあればいまだ着なれず」(出典:万葉集(8C後)三・四一三)

ま‐どおく‥どほく【間遠】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形容詞「まどおい」の連用形から ) 遠くへだたったところ。
    1. [初出の実例]「麻等保久(マトホク)雲居に見ゆる妹が家にいつか到らむ歩め吾が駒」(出典:万葉集(8C後)一四・三四四一)

あい‐どおあひどほ【間遠】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) 期間距離がへだたっていること。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「将軍の陣あらけ靡(なび)いて後の御方あひ遠に成りければ」(出典:太平記(14C後)三二)

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